雲は誰に遠慮することもなく遊弋するのである。
石川啄木が雲に呼びかける気持ちは、胸に落ちるのだ。

雲の遊弋に任せる
雲は湿った大気の彼方で
気持ち良げに遊弋する
雲の下で
さんざめくのは
子らの生命の輝き
生命力と流れる水の歓声
雲は遊弋する
誰よりも豊かな母性と
慈愛という菩薩に見守られつつ
飛天が添い寝する
雲は遊弋する
飛天が舞う
その下で繰り返される
人の錯誤という
愚かしい生き様が
人を暗愚にしてしまう
愚かしき愛欲の
虚しさは
雲が崩れ
無水化していき
やがて消滅する運命であるのか
雲は遊弋する
運命は
瓦解する
雲は遊弋する
飛天が舞う

雲の下、紫陽花の白い額が密集する。
いま街中ではランタナの満開が見受けられるのである。

ランタナの花を最初に見たのは、北京の紫禁城であった。
夏の暑い日、広大な敷地の中でこっそりと咲いていた。

天安門広場から太和門をくぐり、太和殿に向かう。
太和殿の向こうの内庭には花々が咲いている場所がある。

太和殿である。
ぼくの中でランタナは、広大な敷地の一角で咲いていても存在感が示される花である。
そして暑い夏である。
雲はここ東京から、北京までをも視野に入れているに違いないのである。
あるいは、中国大陸から飛来したのかもしれない。
少しばかり連想が膨らみすぎてしまった。
それでも雲は遊弋している。
誰にも束縛されずに!
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荒野人
石川啄木が雲に呼びかける気持ちは、胸に落ちるのだ。

雲の遊弋に任せる
雲は湿った大気の彼方で
気持ち良げに遊弋する
雲の下で
さんざめくのは
子らの生命の輝き
生命力と流れる水の歓声
雲は遊弋する
誰よりも豊かな母性と
慈愛という菩薩に見守られつつ
飛天が添い寝する
雲は遊弋する
飛天が舞う
その下で繰り返される
人の錯誤という
愚かしい生き様が
人を暗愚にしてしまう
愚かしき愛欲の
虚しさは
雲が崩れ
無水化していき
やがて消滅する運命であるのか
雲は遊弋する
運命は
瓦解する
雲は遊弋する
飛天が舞う

雲の下、紫陽花の白い額が密集する。
いま街中ではランタナの満開が見受けられるのである。

ランタナの花を最初に見たのは、北京の紫禁城であった。
夏の暑い日、広大な敷地の中でこっそりと咲いていた。

天安門広場から太和門をくぐり、太和殿に向かう。
太和殿の向こうの内庭には花々が咲いている場所がある。

太和殿である。
ぼくの中でランタナは、広大な敷地の一角で咲いていても存在感が示される花である。
そして暑い夏である。
雲はここ東京から、北京までをも視野に入れているに違いないのである。
あるいは、中国大陸から飛来したのかもしれない。
少しばかり連想が膨らみすぎてしまった。
それでも雲は遊弋している。
誰にも束縛されずに!

荒野人