エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

越辺川の土手を歩く・・・晩秋の午後

2011年11月03日 | 日記
白鳥が越冬と子育てのため飛来する埼玉県川島町を流れる越辺川(おっぺがわ)は、豊かな自然が残っている。
だがしかし、行政の環境と生態系への無知から飛来地が壊されようとしている。



毎年、この川にコハクチョウが飛来するのである。



この土手は、空が広いのである。
空が広いだけで、人は心が晴れやかになる。
得難い自然であるのだ。



都会では、電線で空が区切られ空の広さが実感出来ないのである。
このことは寂しい。



これは昨年の写真。



コハクチョウである。
真白な羽が余りにも美しいではないか。



ここに群れを成すのである。



間もなくこの可愛い贈り物・・・コハクチョウが渡ってくるのである。



それにも関わらず、町はこの土手の土木工事を始めるというのである。
ハクチョウが渡ってくる季節だと言うのにである。

子育てや、厳しい冬を凌ぐために渡ってくる場所が騒がしかったら素通りしてしまうのではないだろうか。



ここで写真を撮っていた時、素敵なご夫妻が散歩していた。
そのご夫妻も怒っておられるのであった。



昨年も、この近くで土手の工事がありハクチョウの数が減ったと仰っておられる。
またまた渡ってくる白鳥が減るのでは・・・と心配しているのである。



今頃は、ススキの穂が夕陽に照らされている。



と・・・空を大きな鳥が舞っている。
姿形は猛禽類である。

まさに遊弋する風情である。
ご夫婦は双眼鏡をお持ちになっていた。

「ミサゴ!」
と、御主人。



これがミサゴである。
主に海岸に生息するが、内陸部の湖沼、広い河川、河口等にも生息する。
水面をゆっくりと低空飛行し獲物を探すのであるが、その時にはホヴァリングする。

この時もホヴァリングしていたかと思うといきなり降下したりを繰り返していたから、間違いなくミサゴであろうと思うのである。

春・秋の渡りの季節には長野県などの内陸部を移動する個体が観察される。
単独かつがいで生活するのである。
まさに、二羽で飛行しているのであった。



日暮れを迎える頃の川面である。
鏡のように澄んでいる。

自然の造形はいつだって美しいのである。



薄暮、そのご夫婦はもっと奥まで行って来ます!
と土手を進んでいかれた。
仲の良いご夫婦である。



鮮明な三日月が中空にかかった。
目の疲れが一気に癒されるのであった。




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 荒野人