エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

美しい一日であった

2011年11月24日 | 日記
勤労感謝の日、美しい一日であった。
ただし夕刻から時雨た。
普通、時雨というのは里山、あるいは山間の集落に降る雨を言うのであるけれど、東京でも時雨として季節を感じたいのである。

季節の実生を紹介したけれど、大事な実生を忘れていた。



マユミの実生である。
東京では、今頃赤く熟れて弾けている。



見上げる!



視線を下げる。
見上げると、モミジであり、視線を下げるとドウダンツツジの紅葉である。



視線を平行にすると、キンカンである。
一つ・・・失敬して口に含んだ。
苦味と甘味が混在して、口の中がワンダーランドであった。

このキンカンも咽喉に宜しい。
咽喉がいがらっぽい時、含めば速効的に効果があるのである。

何より、爽やかな苦みである。



ヤマハゼが赤くなってきた。
ぼくにとっての、季節のバロメータである。

だがしかし、年々紅葉が遅く、その色の冴は無くなってきている。
やはり温暖化の影響なのだろうか。



三椏(みつまた)の花が咲いている。
どこからでも枝分かれする時には、必ず三つに分かれるので「みつまた」である。

三椏の皮は、和紙の原材料として最上位にある。
寒暖の差が大きい、山間で栽培される。
大体3~4年の木が宜しいのである。

栽培自体は、厳しい環境で行われる。
寒い時期こそが収穫であり、切られるような冷たい水で晒さなければならないのである。
山で刈り取り、モッコで担いで里に下ろす。
農家の高齢化もあって大変なのである。

ただ単に皮を剥いただけでは「黒皮」として取引される。
皮を剥いて水に晒して白くしたものは「白皮」として高価で取引されるのである。
最近まで、お札の原料として政府が買い上げていたのであるけれど、民需のほうが価格が高い事もあって庭先で取引されるようになっている。

葉タバコと同じで、局納農家(政府に納める)としての誇りが厳しい栽培を支えてきたのである。



木守りの一葉である。
淋しさの演出としてはベストである。



散歩しながら、公園の一画にあって美味しいパン屋さんで菓子パンを買い求め昼食を認めたのである。



炭酸小僧のぼくは、ドリンクは炭酸でなければならない。
家では、炭酸ガス入りドリンクだけれど、外では多少妥協して甘いドリンクも飲むのである。

この日は、キリン・レモン一本。
150円である。



スイス・ロールである。
110円だったかな。



アップル・パイである。
これで、全体の3分の1の量である。



100円である。



コロッケ・パンである。
130円である。

〆て490円の昼食である。
ベンチで木漏れ日を浴びながら食べる菓子パンは最高に美味いのである。

味をデッサンしておこう。
スイス・ロール・・・ロール・ケーキがパイ生地で包んである。
          しっとりして、かつ重厚なスポンジな味覚を容作っているのである。
アップル・パイ・・・外はカリカリ、中はしっとりしたアップルである。
          適度な甘さがリンゴの爽やかさを演出している。
コロッケ・パン・・・あつあつである。
          コロッケにかかっているソースが旨い。
紹介ついでに、キリン・レモンは横隔膜をヒクヒクさせつつ飲んでいくのが快感である。



今日もピジョン・ツリーがあった。
鳩がやたらと元気に飛び交っている。

温かさが分かるのだろうし、季節の美しさが分かるのだろう。

さて、今日は美しい日だと言った。
翡翠(かわせみ)に会えたからである。



ぼくのカメラではここまで。
でも綺麗!
翡翠色である。



茶色い腹も見せてくれる。
美しい鳥である。


     カワセミや小雪の空澄みきって        野 人


こんな俳句が出来た。
11月23日は24節季の一つ「小雪」であるからだ。

すると、迷子のインコちゃんが気になった。


     迷いたるインコを探す落ち葉季        野 人


小雪(しょうせつ)は冬の季語である。
落ち葉季(おちばどき)もまた冬の季語である。

飼い主さんから、丁重なメールが届いた。

「本当にあの日の自分の不注意が悔まれてなりません。でも今は嘆き悲しむよりも、とにかく捜さないとって、必ず見つかるんだって自分に言い聞かせています。(原文のまま)」

気持ちが強く伝わってくる。
早く保護してあげたい・・・メールでは、その思いが繰り返し繰り返し述べられている。

胸が痛い。
迷子のインコ探しは、恐らく幾つも幾つも幸運が重なる事が必要だと思う。
飼い主の幸運を祈りたい。

ぼくも、目を凝らしつつ歩きました・・・。
残念ながら、今日ぼくに幸運は微笑まなかったのである。
飼い主さん、ごめんなさい。




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