エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

春をいただく

2013年04月01日 | ポエム
春をいただくのは心弾む。
つまり''''''理屈めくけれど、人として知覚できる機能のすべてを動員することが心弾むのである。



土筆をいただくのである。
下萌の野原から頭を出した姿は愛らしい。

その土筆を摘む。
急いで帰宅し、早速調理にかかる。

まずは、額を取る。
土筆を痛めないように、丁寧に外すのである。

額をとりおわったら、あくぬきにかかる。
たっぷりの熱湯に、沈め重曹を加える。
一握りの重曹である。



土筆の天ぷらである。
あまりの美味しさに、写真をすっかり忘れたのが「土筆の卵とじ」である。

薄味で煮て、卵を回しかけ蓋をして火を止める。
とろとろの卵に覆われた土筆がほろ苦くも美味いのである。



折角だから、マイタケと茄子の天ぷらも揚げた。
油が沁みる味である。



ついでだ・・・とばかり牡蠣フライも揚げた。
ふっくらと揚げられた牡蠣はジューシーで海のミルクが浸み出してくるのである。

なんとも豊穣の海を思わせる味わいであった。







「野に出でよ摘み帰り来よ土筆食ぶ」







余話だけれど、この花の名前が今日漸く分かった。
「ヒマラヤユキノシタ」である。

淡いピンクが美しいのである。
明日、この花の主に教えに行かなければなるまい。

庭先に咲いているのだが「名前は分からない!」のだそうである。
写真に何か言葉を添えて持っていこうと思っている。



       荒 野人