芝桜がなだらかな斜面を這いあがって、幾何学的であったり、具象的であったり、人に感動を呼び起こすのである。
実に、使い勝手の良い芝桜である。

羊山公園は、秩父の名峰「武甲山」に抱かれているのである。
名峰と言っても、セメント原材料の山として無残にも削り取られてしまっている。
けれども、その部分が風景としてある・・・その不思議の山である。

山の麓の緑は濃い。

「芝桜色重ねつつ緑濃く」

緑を重ねることで産まれる色彩は、いま楽しむしかない。

かてて加えて、八重山吹は鮮やかなコントラストを見せる。
山で咲く山吹は生き処を得て、より鮮やかである。

見上ぐれば、山は新緑の艶めかしさに横溢する。

正に、今が木の芽時。
都市部に遅れてきた、その時期である。
精神が掻き乱され、揺さぶられる。
揺らぐ・・・揺らぐ。

そこに、色が落とされる。
ますますぼくの心が鳴り響く。
静かに、しかして穏やかに進む恋の季節である。
荒 野人
実に、使い勝手の良い芝桜である。

羊山公園は、秩父の名峰「武甲山」に抱かれているのである。
名峰と言っても、セメント原材料の山として無残にも削り取られてしまっている。
けれども、その部分が風景としてある・・・その不思議の山である。

山の麓の緑は濃い。

「芝桜色重ねつつ緑濃く」

緑を重ねることで産まれる色彩は、いま楽しむしかない。

かてて加えて、八重山吹は鮮やかなコントラストを見せる。
山で咲く山吹は生き処を得て、より鮮やかである。

見上ぐれば、山は新緑の艶めかしさに横溢する。

正に、今が木の芽時。
都市部に遅れてきた、その時期である。
精神が掻き乱され、揺さぶられる。
揺らぐ・・・揺らぐ。

そこに、色が落とされる。
ますますぼくの心が鳴り響く。
静かに、しかして穏やかに進む恋の季節である。
荒 野人