エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

桜花の蕊赤く

2013年04月08日 | ポエム
低気圧が通り過ぎ、揺り返しの強風が吹き荒れた日曜であった。
電動自転車でも、向かい風で停まってしまう。
横風でフラフラする・・・そんな一日であった。



けれど、空の碧さは特別であった。
一点の濁りもない空に遊弋する雲のダイナミズム。

この写真は可笑しい。
こんなにも空が区切られている。



でも、少し上がればこうした空も広がる。
まちの生活はこうしたものなのだろう・・・。



ところで、蕊降るという季語を先日紹介した。
あの日から数日。
桜の木はすっかり蕊に覆われた。

舗道には蕊が降り積む。



蕊は、風によって吹き寄せられる。
最初はこんな風に舗道に降る。



やがて掃き寄せるように、一カ所に溜まっていく。
見上げれば蕊だらけなのである。







「蕊降れど碧き空には遊ぶ雲」







けれども、こうした空に気付いた先人の観察眼は鋭いし優雅である。
よくぞ、季語として観念的なイマージュを言葉で具体化してくれたものである。



先人に脱帽!
である。



       荒 野人