エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

桃花追悼句・・・新たなる地平へ

2013年04月02日 | ポエム
三度、桃花追悼の句を紹介する。
俳誌「からまつ」掲載分である。



桃の花は、ユートピアで咲く。
しかして、桃の実は長寿の秘薬でもあるのだ。







「訃報聞き嗚咽の声の息白し」野人
「逝き急ぐ刻止まらず雪はやむ」
「雪景色少しはにかみ君逝けり」
「凍てる空星一つ増え煌めかし」
「逝きてなお冬空にあれ道標」
「闇深く君の歩める枯野かな」
「冬木の芽茫然自失の空に在り」
「冬の天シリウスのなお輝ける」







雲に乗って、仏陀のもとへと馳せ参じる。
そのエネルギーは桃から頂くのである。







「春そこに闘病の記や袈裟ごろも」鳥水
「春日差し浴びることなき道の旅」







今日は、鳥水さんの追悼句も紹介した。
彼は、ぼくにとっての句友でありほぼ同時期に俳句道へと導かれた。
切磋琢磨する句友である。

一昨日、故・桃花編集長の奥さまから丁重なる心付けが送られてきた。
恐縮しているところである。

季節は春が深まり、色とりどりの花が咲き競う。
心弾む季節である。

ぼくたちは、桃花編集長の死を乗り越え「新たな地平」を目指す。
それが俳句道を歩む者の責務である。


      荒 野人

ブログへの挑戦のこと!
ネット・サーフィンをしていた。
イマ、ネット・サーフィンは死語であるけれど、桃花氏のことを語りたいのである。
「俳句修行」と称して、桃花氏のブログが出てきた。
ただし、一回のアップで終わっている。
俳句を始めて二年目となっている。
清新で野望に満ちた桃花氏がそこにいる。
検索エンジン(ヤフーでもグーグルでも良い)に「からまつ 由利雪二 武内桃花」といれて検索してほしい。
俳句修行というタイトルのブログが検索される。
まるで桃花編集長が再び現れたような錯覚を覚える。

全文を紹介しよう。
2006年12月21日の記事である。

「私は約2年前から「からまつ俳句会:花みずき句会」に所属して、毎月1回の句会に参加して遅まきながら俳句の勉強を始めました。
なかなか思わしい上達は見られないのですが、由利雪二主宰の懇切なご指導を頂いて、俳句を作ることの楽しさと共に、生みの苦しみもしばしば味わっております。
現在は1月の例会(1/10)に臨む準備段階ですが、折々の思いをここに記しながら、作句に対する考え方の変化を見詰め直していきたいと考えています。
 
1月の兼題「七草一切・新年にかかわる行事等でも可」
「家々の新奇を競う松飾り」
「日溜りの土手の若菜の新芽摘む」
「コンビニの七草パック隣へも」

 目下こんなところですが7句投句ですので、今後外歩きをしながら目にしたことや心に浮かんだ情景など、またそれ等に関わる思いを単語にして作句していきたいと考えています。
               
                  2006.12.21                武内 桃花 」

このたった一つ残されたブログの記事、示唆に富んでいる。
「今後外歩きをしながら目にしたことや心に浮かんだ情景など、またそれ等に関わる思いを単語にして作句していきたいと考えています。」の部分である。
写生するのだけれど、目にしたことや感じたことを単語にして作句するという姿勢である。
なるほど・・・である。