エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

暮春という季節

2013年04月24日 | ポエム
暮春である。



新緑と言うには、色濃く、万緑にはまだまだである。



だがしかし、間違いなく武蔵野の林は緑濃くなりつつある。
春の深まりを林が教えてくれる。
色の匂い、空気匂い、そして風の匂いがそれと教えてくれるのである。



暮春という概念に、ぼくは感動を覚えている。
「からまつ」での修行の賜物である。

絶えて久しくなかった「感動」あるいは「琴線の在処」などを自覚するようになってきたのだ。
若かった頃の感性が蘇生しつつあるのだ。

今の季節、もっともその新緑の鮮明さに感動するのは「もみじ」の緑である。







「武蔵野や暮春を迎う光あれ」







色を重ねてこれほど見事なのは、紅葉を以って嚆矢とする。



実に鮮やかである。



ぼくは平林寺に出向きこの映像を捉えた。
紅葉の時期と違って、境内には人影は少ない。

それだけに、林に畏怖を覚える。
言い換えれば「ある恐怖」としても良い。



滝のように緑を零すもみじである。



風の一寸した気配にもそよぐ。
そのありのままが「心地良さ」の源泉であろうか。



         荒 野人