エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

蒲公英を論ず

2013年04月14日 | ポエム
すでに蒲公英を論じたけれど、再び言及する。
関東蒲公英の、いたいけな開花にのめり込む感覚を覚えたのである。
感傷なのかもしれない。



朔太郎の懐いたペーソスとは別物である。

だがしかし、理不尽なまでの外来種の侵略は在来の関東蒲公英を駆逐しようとしている。
在来種は蒲公英と表記し、外来種はタンポポと表記したいのである。



せめて、在来種に敬意を表したいのである。
虚しいまでの心の揺らぎである。
そうした揺らぎは、なんとも徒労であるのかもしれない。
だがしかし、 在来種をいとおしみたいのである。



蒲公英の空間は、次元を異にする。
隠れ里にあるか!
と、思える密やかさである。



西洋タンポポである。
花期に総苞片が反り返っているのが外来種である。



反り返っていないのが在来種である。



在来種は背が低いとあるけれど、そうでもない。
スレンダー(slender)な美人である。







「蒲公英や染まる二人の内と外」







駆逐されないで踏ん張っている環境もある。
絶滅したという説もあるけれど、それは間違いである。

外来が在来をくちく出来ないとした地域では、交雑が起きている。
これもまた、駆逐の一手段であろうと思う。

とまれ、蒲公英の黄色は可憐であって、狂おしい程の清純さである。



        荒 野人