エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

春の雪

2014年02月09日 | ポエム
春の雪。
いや・・・嵐であった。
雪は、横殴りであったり下から巻き上がって来た。

コートは雪にまみれ、しつこく布から離れようとしない。
雪自体は、さらさらとパウダー状なのだけれど纏わりついて来る。

ぼくは、大雪を押して朝から六義園に出かけた。
ここの雪景色は、なかなか見応えがあるのである。



池袋に出、山手線で上野方面。
駒込下車だ。



この庭園は、かの柳沢吉保の下屋敷であった。
池を回る、いわゆる回遊式庭園となっている。



雪吊りが映える。



池に落ちる雪は激しかった。
池に降る雪は、風情がある。







「浮島の陰に舫える梅見船」







池に張られた橋脚は浮島に渡る。
浮島には、当然「蓬莱山」が設えられている。

この時代、いかなる庭園も基本的には蓬莱山が設えられたものだ。



大雪に少し疲れて、茶屋で抹茶を頂いた。



お饅頭は、練り切り。
梅がモチーフである。



甘さが、ジワッと身体に沁みる。
お抹茶は「結構」であった。



雪は、音もなく降りしきる。
お茶を飲み終えて、帰路に着く。

帰宅したのは、もう夕闇の頃であった。



       荒 野人