春は、まだ浅い。
しかし「浅春」という語感に誘われるように、ぼくは出掛ける。
マフラーが、暑い。
ダウンが、暑い。
腕が、暑い。
マフラーを外し、ダウンを脱ぎ、腕まくりして喫茶店に入っている。
気分だろうか、外を歩く人の群れも胸を張っている。
縮こまってはいないのである。

温かい日、なのである。
白梅はちょうど良い咲き具合。
紅梅は、咲き方を知っている。
白梅の後を追うように咲き初めた。

「色をます紅白梅の枝の先」

梅は咲いたか 桜はまだかいな
で知られる、明治時代に発する端唄、俗曲だけれど、全曲を紹介しよう。

曲名は「しょんがえ節」。
梅は咲いたか 藤本二三吉 端唄
「明治時代」は・・・こう唄った。
梅は咲いたか 桜はまだかいな
柳ャなよなよ風次第
山吹ャ浮気で色ばっかり しょんがいな
浅蜊とれたか 蛤ャまだかいな
鮑 くよくよ片想い さざえは悋気で角ばっかり しょんがいな
柳橋から小舟で急がせ 舟はゆらゆら棹次第
舟から上って土堤八丁 吉原へ御案内
「大正・昭和」は・・・こう唄った。
梅は咲いたか 桜はまだかいな
柳ゃなよなよ風次第
山吹ゃ浮気で 色ばっかり しょんがいな
梅にしようか桜にしよかいな
色も緑の松ヶ枝に 梅と桜を咲かせたい しょんがいな
銀座八丁 行こうじゃないか
山の狐が七化けて黒い眉引く袖を引く しょんがいな
恋の浅草 二人で行こかいな
何をこととい(言問)都鳥
末は千鳥で泪橋 しょんがいな
である。
「しょんがいな」とは「しょうがない・・・考えたってしょうがない」といった意味合いの「囃子詞(はやしことば)」「間の手」である。

コートの釦を外している歩行者の群れ。
こちらまでが温かくなるのである。
去年のブログを振り返って見たのだけれど、秩父の宝塔山に臘梅を見に出掛けている。
けれど今年は、大雪で秩父まで辿り着くのが大変である。
よしんば、秩父に着いても帰りの道路はかなり危険である。

馥郁と香り立つ臘梅と、守護神のオオカミの像。
宝塔山神社の奥宮を守護し奉るのは、オオカミである。
狛犬では無いのである。
早く秩父の春浅き山塊を、歩きたいものである。
秩父に棚引く空気も、空も・・・そして同行二人の概念も好きである。
荒 野人
しかし「浅春」という語感に誘われるように、ぼくは出掛ける。
マフラーが、暑い。
ダウンが、暑い。
腕が、暑い。
マフラーを外し、ダウンを脱ぎ、腕まくりして喫茶店に入っている。
気分だろうか、外を歩く人の群れも胸を張っている。
縮こまってはいないのである。

温かい日、なのである。
白梅はちょうど良い咲き具合。
紅梅は、咲き方を知っている。
白梅の後を追うように咲き初めた。

「色をます紅白梅の枝の先」

梅は咲いたか 桜はまだかいな
で知られる、明治時代に発する端唄、俗曲だけれど、全曲を紹介しよう。

曲名は「しょんがえ節」。
梅は咲いたか 藤本二三吉 端唄
「明治時代」は・・・こう唄った。
梅は咲いたか 桜はまだかいな
柳ャなよなよ風次第
山吹ャ浮気で色ばっかり しょんがいな
浅蜊とれたか 蛤ャまだかいな
鮑 くよくよ片想い さざえは悋気で角ばっかり しょんがいな
柳橋から小舟で急がせ 舟はゆらゆら棹次第
舟から上って土堤八丁 吉原へ御案内
「大正・昭和」は・・・こう唄った。
梅は咲いたか 桜はまだかいな
柳ゃなよなよ風次第
山吹ゃ浮気で 色ばっかり しょんがいな
梅にしようか桜にしよかいな
色も緑の松ヶ枝に 梅と桜を咲かせたい しょんがいな
銀座八丁 行こうじゃないか
山の狐が七化けて黒い眉引く袖を引く しょんがいな
恋の浅草 二人で行こかいな
何をこととい(言問)都鳥
末は千鳥で泪橋 しょんがいな
である。
「しょんがいな」とは「しょうがない・・・考えたってしょうがない」といった意味合いの「囃子詞(はやしことば)」「間の手」である。

コートの釦を外している歩行者の群れ。
こちらまでが温かくなるのである。
去年のブログを振り返って見たのだけれど、秩父の宝塔山に臘梅を見に出掛けている。
けれど今年は、大雪で秩父まで辿り着くのが大変である。
よしんば、秩父に着いても帰りの道路はかなり危険である。

馥郁と香り立つ臘梅と、守護神のオオカミの像。
宝塔山神社の奥宮を守護し奉るのは、オオカミである。
狛犬では無いのである。
早く秩父の春浅き山塊を、歩きたいものである。
秩父に棚引く空気も、空も・・・そして同行二人の概念も好きである。
荒 野人