エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

孤愁を慰むること

2014年02月21日 | ポエム
孤独を慰める。
孤愁と云ってみた。



一人で居ることの孤独であり、憂いである。先週の大雪は未だその爪痕が濃い。
孤立集落が多く残されている。
そこで日々を過ごすことの孤独であり、憂いである。



都会では、一通り雪の整理はついた。
ついたけれど、裏道ではその道幅を半減させている。
だから、いまもって外を歩く時は注意深くしなければならない。

普段は使わない筋肉を酷使する。
筋肉痛が続く・・・といった有様である。



林を歩き、ヤブツバキを探した。
雪に映えるヤブツバキ、を探したのである。
雪に深紅の花。


その下で、朽ちた葉が、雪を褥にして静かに横たわっている。
そこだけ、静かな時間が流れている。



森羅万象、ものみな静謐であってほしい。
静謐でありながら、植物の世界は労りと慈愛に満ちている。







「葉の眠る窪み柔らし雪の後」







この褥の雪は、暖かい。
包まれた朽葉は、穏やかである。

従って、孤愁を慰められているのだ。
自然の循環は、かくも厳しくも美しい。



今日、白鳥を見に出かける予定だったけれど急遽中止にした。
白鳥がいないのである。
例年だと3月中頃に、北帰行が終るのだけれど!

川島町役場に問い合わせたところ、あの大雪の日以降、居なくなったとのこと。
あまりの寒さに、南下したのだろうと言う。
さもありなん。
この寒さは、シベリアを凌ぐのだ。

北帰行の時にでも、もう一度羽を休めてくれないだろうか。
そうしたら、ぼくももう一度会いに行ける。
このまま、オサラバは寂しい。



       荒 野人