エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

マンサクの花

2014年02月13日 | ポエム
マンサクの語源だけれど、まんず咲く、まず咲く・・・の音便。
で、マンサクとなったという説が、最も有力である。



山の中で、初春に魁けて咲く花である。
東北地方の人々の春を待つ心根が、ジワッと沁みてくる。

今日のマンサクは、公園の中程で咲いているのを見つけたのである。
とてつも無く嬉しかった。
誰もカメラを向けていない。
それも嬉しい。







「まんさくの花を支える赤き額」







春の兆しは、生物の世界とりわけ植物が感じさせてくれる。
このマンサクの木の下には、この間の降雪の残滓が色濃い。
斑雪(はだらゆき)が夕日に輝いている。

はだらゆき・・・美しい言葉である。



このマンサクは、いつも同じ時期に咲いてくれる。
たとえ、人間が忘れたって咲いてくれる。

どこかで人が壊してしまった自然を、必死で支えている。
この惑星は、まだ救いがある。



        荒 野人