エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

かぐや姫と会ってきました!

2014年02月12日 | ポエム
スタジオ・ジブリの高畑監督による、かぐや姫と会いました。
レイト・ショーの映画館。
少し寒くて、少し暗くて・・・でもいかにも映画好きという面々がウロウロ。
夜の映画館は、面白い。

高畑 勲監督の絵は詩情に溢れている。
余白の部分が想像をかき立て、イマージュを膨らませてくれる。
ノートもそうだけれど、余白が奇麗なノートは内容が豊かである。

絵画でもそうだ。
ましてや音の世界でもそうだ。

武満徹という作曲家がいた。
彼のエッセイ集「音 沈黙と測りあえるほどに」は素敵な一冊である。
国際的に評価が高い作曲家である。
「ノヴェンバー・ステップス」と「弦楽のためのレクイエム」は,演奏会のプログラムに上っている。


001_弦楽のためのレクイエムRequiem for Strings Orchestra(1957)7:49



彼の音楽が不協和音を奏でても、聴く者にとって違和感の無い楽曲である。



さて、高畑監督のかぐやである。
翁の声は、お亡くなりになった「地井武男」氏である。
「ちい散歩」が想起されてしまった。
これは残念。

途中、少し寝てしまった。
寝た時間は、かぐや姫が殺到するおのこどもに無理難題を言って追い払おう治するところ。
目覚めたのは、満開の桜の下をまろぶように走るかぐや姫のシーンである。

そこからは、ずっと起きていた。
眼を瞠ったのは、かぐや姫を迎えに月から降臨する輿。
雲に載って、歌舞音曲を奏でつつ降臨する場面は、見る者を納得させる。







「現在の寓話に寄する冬の夜」







説得力があった。
「こうだったんだろうな!」
と、思わせてくれた。

時代考証も、これ見よがしに押し付けない。
けれど、帝の顎を細く描くなどと言う業は、よほどの力量である。
高畑監督の力である。

高畑監督の絵は、いつも優しい。
このアニメでは、それがより鮮明に感じられた。

最上級のアニメでは無いかもしれないけれど、見て納得する出来映えである。



       荒 野人