エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

秋の蝶

2014年10月11日 | ポエム
黒揚羽がよたよたと舞う。
秋の蝶は、飛翔力が弱いのだ。

だが、見る者に寂寥感を与える。







「午後の日の色濃き花へ秋の蝶」







台風の襲来を前にして、涼やかな空であった・



こうした雲は、空の隙間を鮮やかに見せるのだ。
正に、秋の雲である。



今でなければ、この空と雲は見られないのである。
空を見上げれば、必ず「おまけ」が付いて来る。

さしずめ、ナンキンハゼの紅葉である。



赤一色だけ、抜き書きしたかのような色合いである。
この赤く変色した葉は、赤が極まって落葉する。

ナンキンハゼの樹の下は、秋が深まれば赤い絨毯を敷き詰めたようになるのだ。
野点の緋毛氈であるかのように、目に沁みる。
そう言えば、昨年は府中の森でお茶を頂いた。

緋毛氈に良く似合う、和服の女性であった。




       荒 野人