エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

秋夕焼

2014年10月30日 | ポエム
秋の夕焼けは、ひときわ物寂しい。
その物寂しさは、寂寥だとか沈鬱だとか・・・いわゆる二次元の世界の出来事によって立っているのでは無い。
次元を越えた、精神世界に立脚している。

昨夕、夕焼けの色合いを写そうと思って外出したのである。



何と!いつの間に、これほど電線の多い町になってしまっているのだろう。
家の側には、田畑があって、少し林があって自然が残されている。
そんな風に自惚れていたのは、ぼくだけだったのだろう。

そう思うと、二次元的に憂鬱になってくるのである。



夕焼け小焼け




思いなおして、団地の中の空の広い場所に・・・。






「秋夕焼葉はそれぞれの色をなし」







秋の夕焼が、饐えてゆくのは見ていて寂しい。
だからと言っては可笑しいけれど、夕焼けが終る前に帰宅する。



その所行も寂しい。
寂しさが秋夕焼なのである。
秋夕焼は、逢魔ヶ時を引き立てる。



人が鬼と共生していた時代。
平安時代もそうである・・・。
「逢魔ヶ時」という概念は無かっただろうと思う。
魔ヶ時は、人の内面世界にこそ拠って立つからである。







     荒 野人