エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

蔓バラのトンネルをくぐって

2011年05月22日 | ポエム
蔓バラは素朴である。
けれど心が華やぐのである。






        蔓バラ


      というバラのトンネルの下を歩いたのである
      白く粗の花である
      白く野の花である
      蔓に咲き
      蔓を装う

      満面の笑みを浮かべるきみの視線の先に
      その蔓バラはあった

      蕊が目立つ
      白い花弁よりも際立っている
      次々と咲き続けるための
      所業であって
      明日に生きる術である

      蔓バラのトンネルは昨日と明日の接点である
      ぼくは蔓バラの声に欣喜し
      雀躍する
      蔓バラはきみの化身のように
      この世に生まれた
      ハラハラと花弁を散らし
      きみはぼくを誘うのだ

      蔓バラは
      粗であり
      野である
      蔓バラは刹那の美しさを秘めた

      きみは純化され
      儚(はかな)くも満ち足りて蔓に絡めとられたのである
      ぼくは
      このパラドクスを満喫する
      身体の芯が
      燃え尽きるまで






この蔓バラのトンネルの両側には白バラと赤いバラが控えている。
花束を豪華に見せるテクニックである。



白い薔薇は清楚である。



赤い薔薇は、煽情的である。
ぼくを誘うのである。

赤い薔薇は、甘酸っぱい女性の匂いがするのだ。



かといって、白い薔薇が男性の匂いかというとそれも違う。
やはり、正装した麗しい女性のたたずまいである。





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 荒野人

日比谷公園に咲く薔薇とお弁当

2011年05月21日 | 
日比谷公園は、周辺のサラリーマンたちが昼食の弁当を食べるのに最適である。






      花がある。
      風が通っている。
      陽射しが葉影からこぼれ落ちる。
      ベンチがある。
      殆どが見知らぬ他人である。
      周辺の騒音からは隔絶されている。
      排気ガスも公園の奥までは入ってこない。

      都会の森は静謐をもって貴しとなすのである。






そうだ日比谷公会堂は「東京市」の市政会館だったのだ。
東京市長でもあり、中立な市政のための調査機関の必要性を訴えていた後藤新平の主張に安田善次郎が共鳴、建築されたのである。



1960年の浅沼稲次郎暗殺事件は、この日比谷公会堂での出来事である。
歴史的にして、かつ重厚な建築物である。

ぼくはコンビニで弁当を買い、薔薇に囲まれて昼食を認めたのである。



プリンセス ドゥ モナコである。
花弁の縁の淡いピンク色がポイントである。



スーパースターである。
しっとりとした赤さが控えめでいて、しかし自己主張をしている。
前に出るだけがスパースターではない!と教えているかのようだ。



オリンピアードである。
真紅の赤が情熱を示している。
アスリートの熱き心が表現されているのであろうか・・・。



はまみらい、である。
横浜開港記念で発表された薔薇である。



シャルル ドゥ ゴールである。

これ以外にも多くの種類が植栽されているけれど、取り急ぎ紹介したのである。
近々どこかの薔薇園にでもいって、バラの本質に触れてみたいと思っている。

薔薇は早朝に摘んで水に浮かべておくとエキスを水中に放つと言う。
きっと素晴らしい香りであろうと推測できるのである。

薔薇よ!
きみは美しい。

だがしかし日比谷公園に秘められた歴史の深奥は深い。
しかして、その闇は漆黒である。




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 荒野人

日比谷公園を歩く

2011年05月20日 | 日記
西新橋に所用があって出かけたのである。
ついでと言っては申し訳ないけれど、日比谷公園を久しぶりに歩こうと思ったのであった。



東日本大震災で天井が落下した日比谷公会堂も気になっていた。
お隣の都立図書館は工事中である。

外観はいつもの公会堂である。



日比谷公園の緑は深い。
切り取る角度によっては「深山幽谷」のたたずまいである。



これはヤマボウシである。
若葉の重なりは気持ちを安定させてくれるのである。



水と若葉。
最高の組み合わせである。



瀟洒な建物である。
中では「ブライダル・フェア」が催されていた。

公園で行う結婚式はさぞや気分が高揚するであろうと思われる。
新婦がフローラになって、新郎はバッカスになって・・・。

それこそ熱々のカップルが誕生するであろうと思われる。
間違いない!



マロニエの花が終わりかけていた。
いわゆる「トチの木」である。

マロニエと言えば、パリのシャンゼリゼ通りの並木である。
しかしながらシャンゼリゼ通りは、排気ガスも充満しているのである。

ピンクの花も見かける。
ピンクの花は、有楽町駅の周辺に数多く植栽されている。

ところで・・・。



家の近くで「沙羅双樹」の花が開いていた。
花は色白で、諸行無常の響きは感じられない。

可愛らしい花である。




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 荒野人

武蔵野の林で若葉のフェロモンを浴びた

2011年05月19日 | 日記
武蔵野の自然は、東京の近郊にその姿を留めている。
西武線沿線や京王線沿線などに点在する。
車窓からの眺めも良いのである。



武蔵野台地の範囲は、東京都区部の西半分と北多摩地域および西多摩地域の一部、さらに埼玉県南部の所沢市や狭山市などの地域を含む。
小京都・川越は武蔵野台地の北端に位置するのである。



林は美しい。
ヒトの手が入らなければ、もっと美しい筈である。



小道は手軽な散策を提供してくれる。



見上げると、葉と葉が重層的に重なって絵画を観ているようでもある。
また、藤城清治の影絵の世界のようでもある。



ハクウンボクの白い花である。



いまは、ヤマボウシも咲いていて林は白い花の饗宴である。



満開である。



これはサンシュユの実生である。
前にも紹介したけれど、韓式漢方の生材として珍重されている。
韓国では、精力増強に資すると言う。



桜の実生である。
食べると渋い。
小さくて渋いのである。

サクランボの木では無いのであるから止むを得ないけれど、少しだけ寂しい。



これはコナラの葉の重なりである。
陽を透しつつ、一葉一葉が存在を確かに主張している。

こんな気配が大好きである。

古今、武蔵野台地は文学で数多く表現されてきた。

 •武蔵野(国木田独歩)
 •武蔵野夫人(大岡昇平)
 •次郎物語(下村湖人)
 •居酒屋兆治(山口瞳)
 •場所(瀬戸内寂聴)
 •父の肖像(辻井喬)

などが知られている。
ぼくたちは、下村湖人の「次郎物語」であろう。
長じて「武蔵野」「武蔵野夫人」と読み継いできたのである。

武蔵野・・・なんという素敵な言葉の響きであろうか。
ぼくは、今日この武蔵野の林で若葉のフェロモンを全身に浴びたのである。




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 荒野人

若葉を歩く・・・気持ちが晴れる

2011年05月18日 | ポエム
若葉を歩くのである。
生命力に満ちた、その分泌するパワーは今でしか浴びられないシャワーである。



レアーな光と影に魅せられ、レアーな色合いに感動するのである。



季節の変わり目と深化する気配が、枯渇しかけたぼくの感性を刺激するのである。
植物は平気で「目くらまし」を仕掛ける。

まるで秋の紅葉だ・・・。






        若葉を歩く


      染め上げられるような気配に満ちた一日

      かくして若葉は天女となって舞う
      次元が弾けると
      若葉は更に止揚して成長するのだ
      その寓話は
      若きモンコバートルが憧れて創作した
      モンコバートルは草原の民で
      若葉の瑞々しさを知らない

      若葉は次元と時空を超越する
      四次元を超え
      ジュラ紀へとワープする
      亀裂などは不要であって
      若葉は自らが時空の亀裂である

      偉大で尊大な若葉にぼくは
      限りなく憧憬しつつ同化することを希求する

      若葉の深淵は恐ろしい
      深淵に嵌まり込んだとしたら未来永劫現世には戻れない
      と
      古人は語っている
      そこに棲む悪霊は若葉に怖れ
      迷い込むものを捉え
      自らの盾として酷使するというのだ

      蹲る悪霊と
      蹲るなにものかは
      若葉の深淵に悪阻しつつ
      若葉の深淵に搖拝して
      霧消することを願望するのだ

      若葉は
      かくして天女となった







杜若である。
ぼくがいつも行くサンクチュアリを紹介しよう。



若葉と温んだ水が饗宴する場所である。
ここにカワセミが棲んでいるのである。



いま睡蓮が咲いているのである。



このメタセコイヤも、一画に植栽されている。



野薔薇が楚として咲いている。
古い薔薇である。

従って、凛として見えるのである。
ローズ・ヒップはこうした野生の薔薇(原種)から収穫する実生である。
女性の美と健康に効果のある実生であって、ローズ・ヒップ・ティーが著名である。

若葉の季節は人を歓迎するのである。





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