エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ソウルへ向かう朝

2012年04月15日 | ポエム
ソウルへ向かう朝である。
まだ明けぬ、漆黒の闇を煌々と半月が照らす。



朝飯は成田でいただこうと思いつつ、友人を迎えに行く。
何たって、午前4時半の都心を走る。
四番町のマンションに到着。

車は、次いで成田へと急ぐ。
いつもの休憩場所「酒々井PA」。

友人が人数分の弁当を用意していた。



これである。
おにぎりが一人二つ。
鮭と梅。

海苔は別にしてあって、自分でまいて食べる。
パリパリである。

おかずは、肉じゃが、ホウレン草の卵とじ、ゆで卵、海老焼き、それに香の物(沢庵二枚)である。
美味い。





      春霞高速なべて被いたり        野 人







酒々井の桜は見頃である。
ソウルはどうだろうか?
春はまだ浅いのだろうか。

高速では春の靄が漂う気配であった。



成田もまだ人が少ない。
目覚めた成田空港である。



空港周辺は桜満開だ。
加えて、太陽が上がると快晴の空が広がった。



今日は久しぶりに「KAL」大韓航空である。



数年前は、この会社のゴールド・カードであった。
この気体の色が空に良く映えるのである。



機内食は、格安航空と違ってそれなりにイケるのである。
心はソウルの地へと飛ぶ。
久しぶりの韓国である。



インチョン空港も到着便がまだ少ない。
比較的早く手続きが終わった。

ソウル中心部、ミョンドンのホテルへと向かうのである。





      地図見てもはしゃぐ気分春霞          野 人





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      荒 野人

再び夜桜

2012年04月14日 | ポエム
夜桜。



風が吹き来たり、花を散らす。



「桜まじ」である。
桜を静かに散らす、暖かい南風である。
春の季語である。





      夜桜の秘密を見たり鵺啼きぬ         野 人


      夕暮れの桜色なす提灯や           野 人


      日が暮るる人は踊りぬ花見かな        野 人


      夜になりにわかに始む花吹雪         野 人







自衛隊官舎の横の遊歩道である
自衛隊の駐屯地には桜の名所が多い。

いや、旧帝国陸軍駐屯地に名所が多い・・・と言いかえるべきか!



昨年は自粛モードだったのだけれど、今年は提灯もぶら下がっている。



桜の木の下には、人の欲望が埋まっていると云った。
ぼくの尊敬する作家「梶井基次郎」は人の死体が埋まっていると書いている。
また、坂口安吾は桜の森の満開の下は怖ろしいと言いきった。



だがしかし、現在人はその桜の下で酒を酌み交わし、団子を食っているのである。
この夜、桜を散らす暖かい南風が満開の下を吹き渡った。



だがしかし夕刻、空を見上げたら、見事なまでの飛行線を描いて飛行機が去って行った。



美しい空であった。
この飛行線は、夜桜への期待を膨らませたのであった。




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      荒 野人

氷川台の桜

2012年04月13日 | ポエム
氷川台の桜。
駅横を流れる石神井川沿いに桜が植栽されているのである。



水と桜花。
見事なバランスなのである。



この川は、以前は結構暴れたと見えて、すっかりコンクリートで固められている。
それが悲しいけれど、桜はそういった事情に関わりなく美しい。

コンクリートで固められた流れだけれど「花筏」は綺麗に流れて行くのである。






      花筏淀みにあってたゆたえり           野 人


      花筏流れの岸に逆らいぬ             野 人






桜を愛でるのは、大好きな人と出かけるのがベストである。
加えて、美意識が同じだともっと良い。



人の美学は、夫々だけれど共鳴板の大小は近似値を示すものである。
人は、それを「性格の不一致」などと言って別れる根拠にする。
それは誤っている。



桜が泣いている。
昨今は、芸能界を中心に「年の差婚」が流行っている。



更に、別れも流行っているらしい。
結婚生活だけでなく、芸能界でのパートナー・シップの解消も多い。

齢を重ねたぼくとしては、虚しさが募る今日この頃である。



水鳥が遊んでいる。







      桜散る川の流れの美しきかな          野 人


      みるみるや花の筏と桜まじ           野 人


      花筏鴨遮りし流れかな             野 人







花筏が流れる。
優雅に・・・。



川と桜。
感覚が研ぎ澄まされていく。





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      荒 野人

花散らしの雨

2012年04月12日 | ポエム
満開の桜に良く似合う。
花散らしの雨が降ったのである。



夕方近く、空はおどろおどろした雲に覆われた。
一日、呼吸の様に降ったり止んだりを繰り返したのである。

確実に花散らしの雨であった。



舗道には、花弁が無残に散った。







駐車場の車輪止めに出来た水たまりには、花筏が出来上がった。



図書館の裏の出入り口も、散った花びらで装われた。






      口づけぬ誰が散らすかこの桜          野 人


      花びらを敷き詰めたるか桜まじ         野 人


      花びらやキチンと散らす風の呼気        野 人


      午後になり俄かに降るる花吹雪         野 人






藪椿も散った。
散る花も一つの生き様を示しているのである。

嗚呼、春や如何に。





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      荒 野人

夜桜を見る

2012年04月11日 | ポエム
夜桜を見る。
全く、桜が好きな民族だ。







        夜桜の575と詠む暗さかな          野 人







パッと咲き、パッと散るのが潔いのだ!
とか・・・。
華やかさが魅力的だ!
とか・・・。



様々な評価があるけれど、ぼくは好きな人と、好きな時間に見るのがいい。
だがしかし、なかなかそうは上手くいかない。



夜桜は、写真に撮ると一寸した角度で色彩のトーンが変わる。
それが面白いのである。



青空を背景に見る桜はとんでもなく素敵だけれど、夜のほんの少しの光源で見る桜も良いものだ。
人は思わず浮かれてしまうのである。

古今東西花見という「物見遊山」は文字として、あるいは語りとして残されている。
落語にも花見に題材を取った噺が多い。

花見ならぬ墓見に出かけるなどといった、臍曲がりな江戸っ子に題を取った奇想天外な噺だってある。



この噺の語り部は、志ん朝が良い。



夜桜。
美しい響きである。



今日は、花チラシの雨が早朝から降っている。
満開の桜は、一瞬の光陰である。

追伸:明日からソウルである。
   従って、予め書いておいたものをアップする。
   御了解いただきたいのである。




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