大阪圭吾「死の快走船」読了。
戦前に本格探偵小説を中心に活躍した探偵作家です。43年に応召、46年にフィリピンのルソン島で亡くなっています。もったいない。無事帰ってきたら次々作品が出ていたろうに。短編15編が収録されています。探偵小説はもちろん捕物帖から日常の謎ユーモア小説犯罪小説色々なジャンルを書いています。パラパラと見たとき冒頭にあった「死の快走船」が紺碧の海の上にある絶壁に白堊館と言うのが気に入りました。そこの主人は某商船会社の船長で船にこだわった館だそうで。見てみたいです。
「水族館異変」は作者には珍しい猟奇的ロマン小説です。清少年は海へ行くと言ってこっそり水族館に通っています。清の目当ては「南海美人の鮑取りの実況」。水族館の中央にあるパノラマ室でそこの大水槽が。そこの水槽はくみ上げた海水がいったん入り、各水槽に送られる役割もあり大きく深く高く青く光っています。そのパノラマ室の隣には小さな小暗い淡水金魚室が通路によって結ばれています。ショーが始まり湯巻をまとった半裸の女性がひらひらと舞い降りると皆の目が釘付けに。清も押し付けられながらも位置をキープしようと踏ん張ります。かかる体重をはねのけようと体をゆすり体重が退いたときふと財布がないのに気が付きます。思わず振り向き淡水魚室に逃げる人影を見つけ人込みをかき分けて追いかけます。金魚室で追いつきますが、あきらめたように男は清の首を絞めます。清の体を冷たいタタキの上に投げ出し、男が周りを見ると水槽の窓から蘭鋳金魚がぼんやりとしているだけでした。
役に立たない目撃者です。この後もっとひどい惨事が起こるのですが、水槽の水や魚の色がものすごい効果になっているなと。大水槽の大惨事と全く関係のない淡水金魚室の金魚ののんきさがいい感じ(?)です。
戦前に本格探偵小説を中心に活躍した探偵作家です。43年に応召、46年にフィリピンのルソン島で亡くなっています。もったいない。無事帰ってきたら次々作品が出ていたろうに。短編15編が収録されています。探偵小説はもちろん捕物帖から日常の謎ユーモア小説犯罪小説色々なジャンルを書いています。パラパラと見たとき冒頭にあった「死の快走船」が紺碧の海の上にある絶壁に白堊館と言うのが気に入りました。そこの主人は某商船会社の船長で船にこだわった館だそうで。見てみたいです。
「水族館異変」は作者には珍しい猟奇的ロマン小説です。清少年は海へ行くと言ってこっそり水族館に通っています。清の目当ては「南海美人の鮑取りの実況」。水族館の中央にあるパノラマ室でそこの大水槽が。そこの水槽はくみ上げた海水がいったん入り、各水槽に送られる役割もあり大きく深く高く青く光っています。そのパノラマ室の隣には小さな小暗い淡水金魚室が通路によって結ばれています。ショーが始まり湯巻をまとった半裸の女性がひらひらと舞い降りると皆の目が釘付けに。清も押し付けられながらも位置をキープしようと踏ん張ります。かかる体重をはねのけようと体をゆすり体重が退いたときふと財布がないのに気が付きます。思わず振り向き淡水魚室に逃げる人影を見つけ人込みをかき分けて追いかけます。金魚室で追いつきますが、あきらめたように男は清の首を絞めます。清の体を冷たいタタキの上に投げ出し、男が周りを見ると水槽の窓から蘭鋳金魚がぼんやりとしているだけでした。
役に立たない目撃者です。この後もっとひどい惨事が起こるのですが、水槽の水や魚の色がものすごい効果になっているなと。大水槽の大惨事と全く関係のない淡水金魚室の金魚ののんきさがいい感じ(?)です。