自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★「ごちゃごちゃ選挙」の行方

2017年10月10日 | ⇒トピック往来
   きょう10日、衆院選の公示、総選挙がいよいよ始まったというか、「ごちゃごちゃ選挙」がとりあえず始まったという印象だ。夜、帰宅すると「投票のご案内」という金沢市選挙管理委員会からの郵便はがきが届いていた。中を開いてみると、期日前投票や不在者投票のことなどが細かく記されていて、なおさら「ごちゃごちゃ感」が募った。

    ごちゃごちゃ選挙の印象はどこが理由なのか、自分なりに点検してみる。第一に争点がどこにあるのか分からない。安倍総理は「国難突破解散」と称して、北朝鮮の核実験・弾道ミサイルの発射に対応した体制づくりと消費税を10%に増税し、幼児教育や保育の無償化など少子化対策に回すと争点を掲げた。野党は増税の凍結を訴えるが、それよりも「解散そのものが森友・加計隠しだ」とのボルテージが高い。政策論争が聞こえない。

   二つ目に、「政権選択選挙だ」と希望の党の小池代表氏は「反安倍」を打ち出したが、肝心の希望の党が総理候補を掲げずに選挙戦に臨んだ。これでは、有権者は政権選択ができない。三つ目が、立候補者そのものの「ごちゃごちゃ感」だ。民進党の出身者の多くが希望の党に鞍替えしたが、政策の調和がはっきりしない。希望の党の公約には「9条を含め憲法改正論議を進める」と明記されているが、鞍替えした中には与党の安保法制や改憲に一貫して反対を叫んできた候補者もいる。地元の選挙でたとえると、今回石川2区で希望の党から立候補した柴田未来氏は弁護士で、昨年7月の参院選では民進党から立候補した。そのとき、金沢市内での街頭演説を聴いたが、「憲法の理想を現実に合わせて引き下げるべきではない」と強調していて、さすがに弁護士だけあって護憲と安保法制の反対の信念は筋金入りだと印象を強くしたものだ。

   きょうの公示、すっきりしない中でも、さまざまな現象が起きている。日経平均株価は6営業日連続の値上がり、132円高い2万823円で今年の最高値となった。これは選挙で政権交代が起きて政治が刷新されるとの期待値なのか、どうか。株式相場の世界では「うわさで買って、事実で売る」と格言があるらしい。うわさ=期待で株価は上がり、結果で売られて下がる。そんなパターンになるのかどうか。ただ、今回の上げは選挙というよりアメリカの景気が連動しているようだ。どこに投票するか、誰に投票するか、秋の紅葉を散策しながら思案したい。

⇒10日(火)夜・金沢の天気   はれ
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