自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆中秋の名月、世俗では

2017年10月04日 | ⇒メディア時評
    今夜は「中秋の名月」を雲の切れ間から見ることができた。月をめでることができる幸福感に包まれたのだが、それにしても、世俗では毎日テレビで戦国時代のドラマを見ている気分になる。旗揚げ、画策、裏切り、謀反、切腹・・・のシーンが出てくる。

  謀反のシーンは昨日(3日)あった。小池都知事の支持母体「都民ファーストの会」の都議の音喜多駿、上田令子の両氏が辞表を提出した。その言い分は、「二足のわらじが悪いわけではないが、都政は豊洲移転問題や東京五輪を控える中で、都政を片手間にして国政に手をかけることが果たして正しいのか」と指摘。小池知事が国政政党「希望の党」を設立したことや、先月に都民ファーストの代表を選ぶ際、所属議員に諮らずに小池氏から執行部3人だけで決定したことなどを問題視して、「ブラックボックスだ」と。音喜多氏は忠君のイメージが強かっただけに、小池陣営にすれば謀反だろう。

  民進党の枝野幸男氏は2日、「希望の党の理念や政策は私たちのめざす理念や政策の方向性とは異なる」として新たに「立憲民主党」の設立を表明、3日に新党設立の届けを出した。枝野氏は先月30日のインタビューで、民進党の前原誠司代表が進めた民進党の希望の党と合流案について、安全保障関連法廃止を掲げるリベラル派議員が入れないのではと記者に問われ「前原代表は、私には出来なかったら腹を切るとまで言っていたから実現するのではないか」と答えていた。しかし、リベラル派議員は容赦なく排除された。前原氏の切腹はどうなったのか。そういえば、最近、前原氏の姿がテレビに映らない。

  先月27日「希望の党」の旗揚げ会見で、小池氏は2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げを「凍結」、また、2030年までの「原発ゼロ」を訴えた。政権選択をアピ-ルするための「画策」である。昨年7月の都知事選では、小池氏は原発についてあえて明確な方針を掲げず、争点化していなかったはずだ。その手法は「豊洲移転・築地再開発の市場両立」と同じで、良いとこ取りだ。果たして、この手法で国政を動かすことはできるのか。

  衆院選挙を前にした野党再編劇は希望の党が昨日第1次公認を発表したことで少し落ち着きが出た。そして、きょう夕方、元警察官僚で論客でもあった亀井静香氏が政界引退を表明した。80歳。老兵は去った。(※ 写真は、4日午後10時00分、金沢市の上空を撮影) 

⇒4日(水)夜・金沢の天気      くもり
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