自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆災害列島の正念場

2018年09月06日 | ⇒ニュース走査

  「震度7」、痛ましい。先日の台風21号に続いて、まさに「災害列島」。気象庁は地震の名称を「北海道胆振東部地震」に決定したと発表した。胆振(いぶり)という地名を入れる必要があるのだろうか。おそらくテレビ各局のアナウンサーも困っているだろう。「いぶりとうぶ」という読みは舌を噛みそうだ。「北海道地震」でよいのではないだろうか。何しろ東北の一部を含め北海道全体が揺れている=写真・上、気象庁ホームページより抜粋=。

   早朝にNHKニュースを視聴して「震度7」の状況を見たのは、厚真町(あつまちょう)の山々の土砂崩れだ。頂上の樹木を残して赤土の山肌がいたるところで露出している。震度7の揺さぶりの激しさを見た思いだ。土砂災害がこれほど大きくなると自衛隊の災害派遣が要請される。防衛庁のホームページによると。現在4900人が派遣され、今後2万5000人規模まで増派予定と。艦船は4隻、航空機は20機。陸上自衛隊は給水支援や人命救助活動を行っている=写真・下、防衛庁ホームページより抜粋=。海上自衛隊は救援物資の輸送を行っている。航空自衛隊は救助犬の派遣など行っている。自衛隊では海上と航空が「警備犬」を養成していて、爆発物の検索や不審者の追求、災害時における被災者の捜索を行う。犬種はドイツ・シェパードが多いようだ。

   大規模な震災では二次災害が起きる。とくに火災だ。電気機器やコードが損傷している場合は火災が起きる。消防庁の呼びかけで意外だったのは太陽光発電パネルの危険性だ。損傷した太陽電池パネルに日が当たると発電し、感電や火災につながる可能性があり、可能ならばパネルの表面に遮光を施す、たとえばブルーシートや段ボールで覆う、裏返しにするなどの対策をとってほしいと呼びかけている。文明の利器も災害時には凶器となるのだ。

    総理官邸ではどんなことがなされているのか。ホームページをチェックすると、関係閣僚会議で安倍総理が次のように指示している。北海道全域で発生していた停電は水力・火力発電所の再稼働を進めた結果、札幌市の一部など30万戸への送電を再開した。あす朝までに全体の3分の1に当たる100万世帯への供給再開を目指す。病院や上下水道、通信基地局などの重要施設向けては300台以上のタンクローリーを派遣して自家発電(非常用電源)に必要な燃料供給を行う。全国の電力会社から150台の電源車を確保し、今夜中に35台が現地に入り、重要施設への電力供給を行う。

    内閣も必死なのだろう。災害列島は正念場だが、ただ、これで終わることはない。「災害は忘れたころにやってくる」(寺田寅彦)は教訓だが、すでに現実味を失った。「天災は忘れないうちにやってくる」と心得た方がよい。

⇒6日(木)夜・金沢の天気     はれ 

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