自然の猛威が止まらない。きょう10日も本州付近にどっかり停滞した前線の影響で能登半島ではまた大雨に見舞われ、1万5千人余りに対し一時的に避難勧告が出された。輪島市では道路ののり面が崩壊して集落が孤立、JR七尾線では運休が相次いだ。先月末に豪雨による河川の氾濫で住宅が冠水していて、泥掃除が終わったころに今回の大雨だ。「もう堪忍してや」と地域の人々の悲鳴が聞こえる。
札幌市に住む友人とメールのやり取りをしている。かつて民放テレビ局にいて番組づくりを通じて知り合った。今はリタイアしている。メールで「悠々自適だったのに今回の震災で憂鬱な毎日です」と。さらに不安心理を煽っているのは「もう一つのドでかい地震」。昨年12月に政府の地震調査委員会が公表した、北海道の沖合にある千島海溝で起きるとされる「マグニチュード8.8程度以上」の巨大地震なのだという。
千島海溝では、1973年6月の根室半島沖地震や2003年9月の十勝沖地震など繰り返し地震が起きている。地震調査委員会が公表した地震は350年ごとに繰り返している巨大地震で30年以内の発生確率は7%から40%と想定されてている。「今回の地震で誘発されるのはないか」と、友人は不安を隠さない。地震調査委員会がホームページ上で公表している「千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)」を読んでみた。確かに数字が具体的ですさまじい。
根室沖では、過去およそ170年間にマグニチュード7.4以上の地震が3回起きていて、今回公表では8.5程度のものが今後30年以内の発生確率で60%程度から70%程度となっている。また、北方四島がある色丹島沖および択捉島沖でも巨大地震が発生する可能性があると指摘している。友人は「もう『想定外』という言葉は死語になった」と。
地震調査委員会は2013年にも南海トラフについて公表し、マグニチュード8から9の巨大地震が今後30年以内に60%から70%の確率で発生すると指摘、世間を震撼させた。災害列島は次なるステージに入ったと言える。同時に日本人の価値観も今後大きく変動していくのではないだろうか。どのように変わっていくのか探ってみたい。(※写真は「千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)」より)
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