残念なことだが、金沢大学がクラスターと判断された。石川県がきょう21日発表した新型コロナウイルスによる新たな陽性患者数は女性3人と発表した。このうち30代の女性は大学の学生で、あと2人は同居する60代女性とゼロ歳の女児。今月18日にも20代の男子学生1人が陽性と発表していて、大学関連の感染者はこれで5人となった。この状況で、石川県は県内で7つ目のクラスターと認定した。
新型コロナウイルスの感染拡大で金沢大学では4月からすべての対面型の授業は中止となっていた。このため、講義はインターネットによる遠隔授業(オンデマンド型)のみで、学生は在宅授業だった。サークルや部活なども禁止。また、研究室の学生や大学院生の研究活動も登学は原則禁止となっていた。何しろ学生だけで1万人余りいる。キャンパスという限られた空間で、「大規模集会」を毎日開催するようなもので、感染が広がればひとたまりもない。
緊急事態宣言が解除され、対面授業が再開されたのは6月19日だった。ただし、授業における「3密」を回避する条件がついている。たとえば、51人以上の規模の大きな講義は引き続き遠隔授業に。また、50人以下であっても、1学生当たり4平方㍍のスペースを確保することが対面授業の条件となっていた。このため、学生たちは少人数の限られた授業しか受講できない状態が続いている
「3密」対策が取られているのは授業だけではない。学生がよく集まる図書館のカフェや生協食堂もそうだ。カフェは1テーブルにつき1人掛け。食堂のテーブルは対面ではなく一方向で横のイスの間隔も一つ空けてある。普段は12人掛けのテーブルだが、3人掛けだ。にぎわいからほど遠い。営業時間も午前11時から午後1時30分で、金曜と土日・祝日は休業だ。
自身はリモートワークが続いている。久しぶりにキャンパスを歩いても、いつものにぎやかしい雰囲気が戻っていない。それだけに、今回のクラスター認定で学生たちの気持ちそのものがロックダウンするのではないか。そんなふうに案じている。
(※写真は、大学キャンパスの学生ラウンジ。学生たちの姿は少なく閑散としている)
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