自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆民意が求める「政治と宗教」の説明責任

2022年08月01日 | ⇒メディア時評

   直近の世論調査によると内閣支持率は急落している。共同通信社の世論調査(電話調査、7月30、31日)では内閣支持率は51%で前回(7月11、12日)の63%より12ポイントも下落し、政党支持率も自民は41%で前回より5ポイント落ちている(1日付・北國新聞)。(※小数点以下の数値は切り捨て)

   共同通信の調査では急落と読めるが、前回調査は自民が改選125議席のうち過半数を占めて大勝した参院選(7月10日)後の調査だったので、内閣支持率が63%と高くなっていた。6月調査(11-13日)では56%だった。それでも、今回が5ポイント落ちている。不支持は今回が29%、前回が22%、6月調査が26%だった。

   きょうの日経新聞も世論調査(電話調査、7月29-31日)を掲載していて、内閣支持率は58%、前回(6月17-19日)60%より2ポイント下げている。不支持率は今回が32%、前回と同数だった。政党支持率は自民43%と前回45%より下げた。

   内閣支持率、政党支持率のほかに、両調査は安倍元総理の国葬について賛否を問うている。共同調査では「反対」「どちらかといえば反対」が計52%、「賛成」「どちらかといえば賛成」の計44%を上回った。日経調査も「反対」が47%で、「賛成」43%より多い。

   安倍元総理が銃撃されて死亡した事件をきっかけに、自民党の現職閣僚や国会議員と、霊感商法や献金強要によって巨額の金を集めている「世界平和統一家庭連合」(旧「統一教会」)との関係が次々と取り沙汰されている。これについて、共同調査では「あなたは旧統一教会と政界との関わりについて、実態解明の必要があると思いますか、必要はないと思いますか」と問うている。これに対し、結果は「解明の必要がある」は80%、「解明の必要はない」は16%だ。圧倒的な民意ではないだろうか。

   岸田総理はきのう総理公邸での記者団の質問に答えて、「社会的に問題になっている団体との関係については、政治家の立場からそれぞれ丁寧に説明していくことば大事だ」と述べ、各議員らが説明すべきだとの考えを示した(1日付・読売新聞)。メディアで指摘された統一教会との関わりある閣僚として、岸防衛大臣、萩生田経産大臣、末松文科大臣、二之湯国家公安委員長らの名前が上がっているのに、まるで「他人事」のようなコメントだ。

   全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見(7月12日)によると、霊感商法や献金強要によって巨額な金が集められ、1987年から2021年に連絡会などに寄せられた被害件数は約3万4500件、被害金額は計約1237億円に上る。こうした問題を知りながら閣僚や議員が統一教会から選挙支援を得ていたのであれば、政治責任が問われて当然だろう。「実態解明の必要がある・・80%」。説明責任を求める民意を岸田総理は甘く見ているのではないか。

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