日本はいつの間にか「テロ多発国家」になった。報道によると、きょう15日午前11時半ごろ、和歌山市の雑賀崎漁港で、岸田総理が衆院和歌山1区の補欠選挙の応援演説を始める直前に、銀色で金属製とみられる筒状の爆発物が投げ込まれた。「ドン」という大きな爆発音とともに白い煙が上がった。岸田総理は現場から避難してけがはなく、30代の男性警察官1人が左腕にけがを負った。
投げ込んだ男が警察官に取り押さえられた。威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕されたのは兵庫県川西市に住む木村隆二容疑者、24歳。政治家への襲撃は去年7月8日、安倍元総理が参院選の応援で訪れた奈良市で街頭演説中に銃撃され死亡している。
来月15日からG7広島サミットが開催される。世界のメディアの論調は、政治家へのテロが多発する日本は安全なのかと不安視するに違いない。
話は変わる。「ロシアの言うことが信じられない、プーチンの言うことが信じられない」、世界の民主主義国家の多くの人々はそう思っているのではないだろうか。ウクライナ政府を「ネオナチ」呼ばわりして武力侵攻を正当化する偽旗作戦はその象徴的な事例だ。物騒な話になるが、その二の舞いが日本で起きるかも知れない。
報道によると、ロシアのショイグ国防相は14日、ロシア軍幹部との会合で、極東ウラジオストクに司令部を置く太平洋艦隊が、北方領土やサハリンへの敵の上陸を阻止することを目的にした軍事演習を開始したと明らかにした。 演習では空軍、海軍、航空宇宙軍が参加し、ミサイルや魚雷発射などの対潜水艦攻撃の訓練も行う。「北方四島は固有の領土」との立場を貫く日本を牽制し、ロシアの実効支配を強くアピールする狙いだろう。
北方領土の歯舞諸島などは根室の目と鼻の先にある。ここでロシアは敵の上陸を阻止する軍事演習を行うというのだ。日米安保条約があるので、ロシアの軍事演習を阻止すればよいと思ってしまうが、日本が実効支配できていない地域は日米安保の適用対象外となり、アメリカの防衛義務は生じない。北方領土がロシアによる不法占拠であるにもかかわらず、だ。
去年4月4日、ロシアのセルゲイ・ミロノフ下院副議長がロシアのオンラインメディアで「どんな国でも、隣国に対して権利を主張することはできる」「多くの専門家によると、ロシアは北海道に対してあらゆる権利を持っている」と述べ、物議を醸した。これを口実に、プーチン大統領が「北海道の権利の奪還」という偽旗を掲げて動き出すのではないだろうか。ロシアの軍事演習はその予行ではないのか、とは考え過ぎだろうか。
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