自在コラム

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★能登半島地震 避難所で自販機壊し飲料を調達は罪なのか

2024年01月21日 | ⇒ニュース走査

   このニュースを新聞メディアの報道で読んで、災害時における略奪行為なのか、あるいは生存のための正当な行為なのかなどと考えてしまう。地震が発生した1日夜、石川県立穴水高校(穴水町)に設置されていた自動販売機3台が避難した住民によって破壊され、飲料が持ち出された。自販機を管理する北陸コカ・コーラボトリング(富山県高岡市)は18日、石川県警に被害届を提出した(21日付・読売新聞)。

   同校には地震発生後、住民ら100人ほどが次々と避難してきた。午後8時ごろ、4、5人の男女が「緊急だから」と周囲に告げながら校内にある自販機を工具などでこじ開け、内部も破壊し、飲料を取り出して避難者らに配ったという。校長によると、校舎には当時、同校の教諭や事務員はおらず、自販機を破壊する許可は出していなかった。同校に設置されていた北陸コカ・コーラの自販機は、災害時には鍵で扉を開け、無料で商品を取り出せる「災害支援型」だった。鍵は学校が同社から預かり、事務室で管理していた。ただ、同校は指定避難所ではなく、避難住民には自販機が災害支援型などとは知らされていなかった(同)。

   穴水町は震度6強の揺れに見舞われ、20人が犠牲になり、270人余りが負傷、住宅1000棟が全半壊などの被害を受けている(20日午後2時現在・石川県まとめ)。震災が起きた時間帯は夕暮れ時でもあり、高校近くの住民は必至になって避難してきただろう。当時、同町でほぼ全域で停電と断水となった。自販機の破壊が起きた当時は避難者に対する救援物資などは届いてもいない。そもそも、同校は指定避難所ではなかったので、水や食糧などの生活必需品の備蓄品はストックされていなかった。あるのは自販機の飲み物だけだったのかもしれない。

   こうした被災の非常事態の下で自販機を破壊して飲み物を調達したことが、どのような罪に問われるのだろうか。器物損壊か略奪行為か、あるいは良心的な取得行為なのか。地元紙によると、北陸コカ・コーラは被害届を出したことについて、「罰したいわけではなく、自販機を破壊された以上、被害届を提出しなければならない」と述べ、「緊急時には壊さず、自販機に表示された問い合わせ先に連絡してほしい」とコメントしている(21日付・北國新聞)。

   同社が問い合わせ先に連絡をしてほしいと述べているものの、当時は電話やメールなどの情報インフラは壊滅的な状態で、連絡をつけれるような状態ではなかった。人の生死がかかった緊急時であり、水分を求め自販機を壊すことに罪の意識はおそらくなかっただろう。だから、壊した人たちは飲料を取り出して避難者らに配っている。

   北陸コカ・コーラは被害届を出したことについて「罰したいわけではない」としているので、一つ考えられることは、今後、避難所などで類似の出来事が起きることを抑制する意味合いがあるのではないか。そしてもう一つが、察するに自販機の損害保険を請求する手続きではないのか。

   今回のケ-スは避難所の中での行為が問われているが、街中のコンビニだったらどうか。明らかに災害に便乗した略奪行為として指摘されるだろう。

⇒21日(日)夜・金沢の天気    くもり時々あめ


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