自在コラム

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★めりはりのない旧統一教会問題の政府対応

2022年09月21日 | ⇒トレンド探査

   それにしてもめりはりの利いた、見事な季節の移ろいだ。「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言われるが、彼岸入りでもあったきのう20日は台風14号が去って、一気に秋めいた。前日までは真夏日や猛暑日が続いていたのだが、気温は20度と肌寒くなった。Tシャツと半ズボンを仕舞い、長袖のシャツと長ズボンを出した。台風一過、秋を呼ぶ。

   めりはりが利いていないのが、世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)に対する政府の対応だ。共同通信ニュースWeb版(20日付)によると、立憲民主党など野党は20日、旧統一教会の問題に取り組む弁護士や2世信者を招いてヒアリングを実施した。弁護士らが採択した、宗教法人法に基づく解散命令の請求を行政に求める声明について議論したが、文化庁の担当者は過去の事例を挙げ「現状では難しい」と繰り返した。

   文化庁担当者の「現状では難しい」という意味合いは裁判になった場合を想定しているようだ。日刊スポーツWeb版(同)によると、文化庁宗務担当者は「安易な解散命令請求することはできない。確実に(裁判で)勝てるだろうという状況がなければ解散命令請求すべきでない」との見解を示した。これに対し、社民党の福島党首は「解散命令を出す十分な要件がある。裁判で勝つ可能性が極めて高いので解散命令を出すことが被害者の救済、これ以上被害を生まないために文化庁、今やらないとダメです」と指摘した。

   この議論の基となったのは、全国霊感商法対策弁護士連絡会が16日、永岡文科大臣に対し、宗教法人法に基づいて旧統一教会の解散命令を裁判所に請求するよう求める声明だった。連絡会の公式サイトに声明の内容が掲載されている。以下、抜粋。

「2 解散請求 文部科学大臣は、旧統一協会に対し、宗教法人法第78条の2に定める報告質問権を行使するとともに、同法第81条1項に基づき解散命令を請求されたい。 3 カルト対策 (1)内閣総理大臣は、フランスなどカルト対策に先進的な諸外国の法制度・諸施策を参考に、基本法の制定も視野に入れた上で、被害抑止・救済のための法制度を整備し諸施策を講じられたい。(2)文部科学大臣は、旧統一協会による過去の諸々の被害(金銭被害、家族破壊、労働力収奪、その他被害)に関し調査の上で、その結果を総括的な報告書をまとめられたい」

   ヒアリングに出席した木村壮弁護士は「正体を隠した勧誘、献金活動が繰り返されている。違法な活動が継続しており、解散命令請求ができないことはないはず」と指摘した(20日付・共同通信ニュースWeb版)。

   文化庁宗務担当者の発言は実に役人らしい見解だ。解散請求を裁判所が審理して、解散命令請求が100%勝てる状況にないので請求しない、と。発言は、面倒くさいことをオレたちにやらせるな、と言っているだけのようにも解釈できる。

   文化庁だけではない。ヒアリングで、野党側が消費者庁が把握している旧統一教会による被害相談件数について回答を求めた。すると、同庁担当者は「個別の事業者、団体にかかわる相談件数についてはお答えを控えさせていただいている」と答えた(20日付・日刊スポーツWeb版)。旧統一教会問題のヒアリングでの場で、この発言だ。法務省が設置した旧統一教会に関する「合同電話相談窓口」=写真=で受け付けた相談件数は今月5日から14日までに1415件(速報値)にも上る。

   旧統一教会に関しては、自民党は消極的、関係省庁は関わりを拒否する。おそらく、教団は高笑いをしているに違いない。 「野党が何を言おうが、我々の摂理は正しい。自民党と関係省庁は正しく理解してくださっているのだ」と。

⇒21日(水)夜・金沢の天気    はれ 


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