「U.S. Stocks End Sharply Lower as Coronavirus Worries Return」(コロナウイルスの懸念が再び高まる中、アメリカ株は大幅下落)。ウオールストリートジャーナルWeb版(11日付)の見出しだ。一方、イギリスのフィナンシャルタイムズWeb版はこう伝えている。「US stocks slide nearly 6% on worst day since March」(アメリカの株価は3月以来の最悪日に、ほぼ6%下落)=写真=。
11日のニューヨーク株式市場のダウは前日比1861㌦安の2万5128㌦だった。下げ幅は3月16日(2997㌦安)以来の大きさで、過去4番目の下げ幅を記録した。この大幅下落の原因をウオールストリートジャーナルは新型コロナウイルス感染の「第2波」を一番に上げている。サブ見出しでこう記している。「Dow falls more than 1,800 points; concerns about a new wave of infections send investors out of risky assets」(ダウは1,800ポイント以上下落した。新たな感染拡大への懸念が投資家を危険資産から遠ざけた)。
フィナンシャルタイムズはコロナ第2波と併せて、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の「ゼロ金利の継続」を上げている。「Investors spooked by uptick in virus cases and gloomy prognosis from the Federal Reserve」(ウイルス感染増加とFRBの先行き不安に怯えた投資家)。FRBは10日に開催した連邦公開委員会で、政策金利の誘導目標「0%~0.25%」を2022年末まで続ける方針を示した。この根拠としてアメリカの失業率は2020年10-12月期も平均9.3%と高水準を予想。さらに、2022年10-12月期でも物価上昇は前年同期比1.7%と予想(目標2%)。つまり、投資家とすれば、インフレ効果による株価の上昇などは今後見込めないということだ。
ジョンズ・ホプキンス大学のコロナ・ダッシュボードの最新版をチェックするとアメリカのコロナ感染者202万人だ。9日の感染者は197万だったので第2波が不安を煽る。コロナ禍では、いわゆる資本主義の「公式」というものが通用しない。人を雇い、経済が拡大すれば社会全体が豊かになるという構図は一変した。金融政策を投じたとしてもモノは売れず、経済の成長力は弱まり、デフレを招く「日本の失われた20年」の再現をアメリカが警戒し始めたのではないだろうか。
⇒12日(金)朝・金沢の天気 あめ
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