自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆大学キャンパス ウィズコロナの風景

2020年06月22日 | ⇒キャンパス見聞

     新型コロナウイルスの感染拡大で金沢大学では4月からすべての対面型の授業は中止となっていた。このため、講義はインターネットによる遠隔授業(オンデマンド型)のみで、学生は在宅授業だった。サークルや部活なども禁止。また、研究室の学生や大学院生の研究活動も登学は禁止となっていた。何しろ学生だけで1万人余りいる。キャンパスという限られた空間で、「大規模集会」を毎日開催するようなもので、感染が広がればひとたまりもない。

   緊急事態宣言が解除され、対面講義が再開されたのは今月19日だった。自身もこの間、リモートワークだったので久しぶりにキャンパスを歩いた。いつものにぎやかしい雰囲気がそこそこ戻っているに違いない思っていたが、実際は普段の4分の1ほどと感じた。というのも、感染の可能性がゼロになったわけではなく、ウィズコロナの状態だ。「3密」回避が条件であることに変わりない。たとえば、51人以上の規模の大きな講義は引き続き遠隔授業に。また、50人以下であっても、1学生当たり4平方㍍ほどのスペースを確保することが対面講義の条件となっている。こうなると学生たちは少人数の限られた授業しか受講できないのだ。

   学生がよく集まる図書館のカフェや生協食堂をのぞいてみた。カフェは1テーブルにつき1人掛け=写真=。食堂のテーブルは対面ではなく一方向で横のイスの間隔も一つ空けてある。普段は12人掛けのテーブルだが、3人掛けだ。にぎわいからほど遠い。営業時間も午前11時から午後1時30分で、金曜と土日・祝日は休業だ。

   大変なのは学生たちである。オンライン授業の場合、動画を視聴するネット環境を整えなければならない。さらに、レジュメなどの講義資料はデータなので、自分でプリントしなければならない。自宅にプリンターがあればよいが、多くの学生はデータをUSBに落として、コンビニでプリントを行っている。

   学生たちで深刻なのはアルバイトの収入が減ったことだろう。物販や飲食の店舗でアルバイトで生活費を得ていた学生の4割が「バイト収入ゼロ」(学内学生アンケート)だったと答えている。大学では、経済的に困窮している学生の生活支援のため、クラウドファンディングを活用した寄付の募集を始めている。

⇒22日(月)午前・金沢の天気    くもり


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