自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆「勝手にイノベーション」

2020年08月28日 | ⇒キャンパス見聞

   「Beyond Corona LIVE」というネットでの生中継番組がきょう金沢大学発で正午から始まった。午後8時までのぶっ続け8時間のライブだ。「コロナ時代の『今』を『生きる』人に向けたライブ放送」がテーマだ。総合プロデューサーは松島大輔教授。学生たちがスタジオ設営から司会などに参画していて、現場をのぞくと、テレビ局のスタジオの雰囲気だ=写真=。午後1時20分現在で121人が視聴参加している。

   このネット動画を見ていると、「DX」という言葉が浮かぶ。「Digital Transformation」。デジタル技術を使いこなして、学生たちが可能性にチャレンジしている。松島教授のかつての職場でもあったタイ政府の産業担当と会話を交わしながら、学生たちが石川県の企業紹介などを試みている。国境を超えた情報交換でタイにとって企業誘致につながったり、企業にとってタイでの拠点構築につながっていくとしたら、まさに「デジタル変革」ではないだろうか。大人のセースルではない、学生たちがインターンシップで学んだ企業を紹介することで、学生たちが夢見るビジネスの可能性が見えてくるのだ。

   松島教授がライブ中継企画を学生たちに提案し、学部を超えた多数の学生たちが乗ってきた。実は教授にはゼミ生はいない。というのも、来年度から募集を開始する「先導科学類」という新しい学科の教授なのだ。「先導科学」という聞き慣れない言葉だが、理系と文系を融合させ、問題設定と解決能力を養う、そして社会を変革する人材を育てることをコンセプトした学科だ。教授にひと言で表現するとどうなりますか、と問うと。松島氏は「勝手にイノベーションですね」と。思わず笑った。

   確かに、これからの時代はさらに複雑化し多様化する未来の課題に向き合わなければならない。コロナ禍でさらに複雑化するだろう。そんな時代に、まったく新しい手法でイノベーションを起こす人材が必要だろう。これまでの大学の教育目的は学問へのキャッチアップだった。そんな型にはまった教育はもう通用しない。時代のニーズは、まったく新しい手法で社会課題と向き合う、「勝手にイノベーション」だろう。

⇒28日(金)午後・金沢の天気    はれ時々くもり


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