きのう夜の北京パラリンピック開会式をNHK-Eテレで視聴した。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、国際パラリンピック委員会(IPC)は今月2日、ロシアパラリンピック委員会とベラルーシの選手については中立な立場を表明する個人の出場を認めたものの、3日には一転して出場を認めないと発表した(3日付・NHKニュースWeb版)。この発表の翌日、ザボロジエ原発への攻撃のニュースが流れた。IPCが「スポーツと政治を混同してはいけない」と2日の発表にこだわっていれば、4日には多くの国がボイコットを表明する事態に陥ったに違いない。ぎりぎりセーフだった。その決断をしたアンドルー・パーソンズ会長のスピーチを聞きたかった。
スピーチの第一声はロシアのウクライナ侵攻を意識した内容だった。日本語訳はEテレを参考。「今夜はまず、平和のメッセージから始めたい、いえ、始めなければなりません。共生を中核とし、多様性を祝い、違いを受け入れることを旨とする組織のリーダーとして、私はいま世界で起こっていることに強い衝撃を受けています。21世紀は対話と外交の時代のはずです。戦争と憎しみの時代ではありません」。そして、オリンピック・パラリンピック期間中の休戦は、国連決議として採択されていると強調した。
しめくくりも印象に残るものだった。「パラアスリートの皆さん、今大会のための準備、とりわけパンデミック下においては決して容易ではなかったと思います。皆さんは決意の意味を示し、忍耐を体現しています。みずから成し遂げたことを喜び、自分の力で世界を変えられる、変えることを誇りに思ってください」。最後に、パーソンズ氏は両手を握りしめ、「Peace!」と叫んだ=写真=。反戦と平和の願い込めたスピーチだった。
北朝鮮はけさ日本海側に向けて飛翔体を発射した。日本政府は弾道ミサイルの可能性があるとしている(5日付・共同通信Web版)。2月27日にも弾道ミサイル1発を発射していて今年で9回目だ。北朝鮮は新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大しているとして北京オリ・パラに参加していない。ロシアのウクライナ侵攻を含めて、このままだと北京大会は歴史に残る「平和のない祭典」になる可能性もある。中国はロシアや北朝鮮に「やめてくれ」と強くアピールすべきだろう。
⇒5日(土)夜・金沢の天気 くもり
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