自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆北のICBM発射と核実験はこのタイミングか

2022年05月18日 | ⇒ニュース走査

   朝鮮戦争は終わっていない。1953年7月にアメリカなど国連軍と中国・北朝鮮の連合軍が休戦協定に署名した。まもなく69年になるが、平和条約ではなく休戦協定であるため、韓国と北朝鮮は現在も形式上は戦争状態にあることに変わりない。

そうなると、アメリカ世論もアフガンのケースと同様にいつまで韓国に軍隊を駐在させる必要があるのかと撤退の声が高まる。北朝鮮の狙いはそこにあるのではないだろうか。

   前置きが長くなった。アメリカのバイデン大統領は今月20日に韓国を訪れ、尹錫悦大統領と会談し、22日に日本を訪れ、24日に東京都内で日米豪印(クアッド)首脳会合に出席する予定だ。CNNニュースWeb版日本語(5月18日付)によると、アメリカ情報当局の担当者の話として、北朝鮮は今後48~96時間のうちにICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を行う準備を進めているとみられる。平壌近郊にある発射場の衛星画像から、過去の実験に向けた準備期間と同じ動きがみられるという。足場などの設置作業や燃料、車両や人員の動きを指すとみられる。北朝鮮は今月4日にICBMを発射している。また、豊渓里(プンゲリ)核実験場でも準備が進んでいるとみられ、今月中に地下核実験を実施する可能性もあると当局者は指摘している、と伝えている。

   一方、北朝鮮では新型コロナウイルスとみられる発熱症状の拡大が止まらない。北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」(18日付)は発熱者が相次ぎ、17日午後6時までの1日で、新たに23万2800人余りに症状が確認され6人が死亡したと伝えた。先月下旬以降の発熱者の累計は171万5900人余り、死者は62人に上っている(18日付・NHKニュースWeb版)。

   普通に考えれば、国内がコロナ禍でパンデミック状態にあれば、ICBM発射や核実験は人心を惑わすことにもなり中止するだろう。北朝鮮国営メディアは5月4日、7日、12日に発射した弾道ミサイルについて、3回とも公表を控えている。公表を控えてでも、ICBM発射や核実験は続けるということか。先月25日に「朝鮮人民革命軍」創設90年にあわせて軍事パレードを開催した金正恩総書記は「核戦力を最速ペースで強化・開発するため、措置を取り続ける」と表明している(4月26日付・BBCニュースWeb版日本語)。あさって20日の米韓首脳会談に向けて、か。朝鮮戦争は終わっていない。

(※写真は、ことし3月25日付・BBCニュースWeb版が「N Korea claims successful launch of 'monster missile' Hwasong-17」の見出しで報じた、全長23㍍の「モンスター・ミサイル」)

⇒18日(水)夜・中能登町の天気   はれ


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