自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆「次の次」を読む

2006年04月02日 | ⇒ニュース走査
 代表辞任を表明した民主党の前原誠司氏はきょう2日のテレビ番組などに出演していたが、精彩を欠いていた。去年9月18日、前原氏が新代表になった翌日にたまたま京都を訪れた。比叡山のふもとから大原にかけてが前原氏の選挙区でもあり、選挙用ポスターがまだ貼ってあった。そこで初めて、ここが民主の新代表の地盤と知ったのだ。あれから半年余りでの辞任劇である。しかし、これも対応を誤り国政を揺るがせた政治プロセスの一つと冷静に理解すれば当然の帰結なのだろう。

 2月23日付「自在コラム」の「★完結・『真偽の攻防』を読む」で今回の偽メール問題の行く末を読み解いた。大筋で外れていない。新しい代表が小沢一郎氏で決まればほぼ読み通りだ。きょう2日、小松空港に家人を車で送った帰り、小松市内を走っていて、去年9月の総選挙のポスターを見つけた。そのポスターにたまたま小沢氏が映っていたので携帯電話のカメラで撮影した。古びたポスターであるものの、「次なる時の人」が映っていると価値が出てくる。

 しかし、小沢氏はどちらかというと「黒幕」の人である。表に立つとかえって外交や安全保障で党内が鮮明に割れて収拾がつかなくなる懸念がある。それでもこの人が立たないとおそらくいまの民主党は治まらない。そこで党内のバランス論で菅直人氏が幹事長に就任という線が出てくる。

 そして問題は自民である。仮に民主が小沢氏ならば、9月の自民党総裁選は安倍晋三氏に有利に働くのだろうか。自民党内でもバランス感覚が働いて、「小沢氏に対抗できるもう少し毒気のある人物を」いう党内の雰囲気が出てくると、安倍氏の立場は微妙になる。「次の次」を読むポイントではこの点ではないかと思う。

⇒2日(日)夜・金沢の天気  くもり

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