19日に撮影した木星画像は上空の気流の安定度に助けられたようで、思いのほかイイ出来映えだったんですけど、
1分弱の動画1本のみからフレームスタッキングした画像だったんで、よく見るとノイズが若干目立ってました。
そこで、予備として連続的に撮影していた8本の動画を各々スタッキングし、得られた8画像をコンポジットして
S/N向上を狙ってみようと思い立ったんですが、全ての動画撮影に6分ちょっとかかったため、木星の自転により
模様が動いてしまい、最初と最後に取得した動画を元に作成した2画像をGIFアニメにするとこんな状況でした。
たった6分程度でもこんなに動いてしまうんですよねー。木星の自転の速さを再認識させられました。
で、約6分間分の8画像をそのままコンポジットすると・・・
目論見どおりノイズが減ってパッと見では問題なさそうな感じですが、実は結構ブレたイメージになっていて、
よく見ると大赤斑の中心にある暗部が横方向に伸びてしまっているなど、自転によるズレの影響が認められます。
このような自転の影響を防いでコンポジットできれば、ノイズ低減とブレ解消を両立したイメージが得られるって
ことになります。それを実現するのが"WinJUPOS"っていうフリーウェアに備わっている"Derotation"っていう処理
なんですが、随分前にソフトをDLしたものの、とっつき難くて操作がよく分からず、ずっと手付かず状態でした。
今回、割と良好な素材映像が得られたことと、有難いことにネット上で具体的な操作を示しているwebサイトが
あったんで、重い腰を上げてDerotation処理を行ってみました。その結果がコレです。
【木星 2023.9.19 01時台】
タカハシμ-180+2.5倍バローレンズ+ADC+CMOSカメラ(ZWO ASI1600MC-cool),UV/IRカットフィルター,
合成F値=30,タカハシEM-200Temma2M赤道儀,取得動画の1500/3000フレームをAS!3にてスタック×8セット,
WinJUPOSにてDerotation処理コンポジット,Registax6でwavelet処理
さらに明るさ・コントラスト調整した最終画像と先日の記事に貼った単独動画ベースの画像を上下に並べると・・・
やっぱりDerotation処理した上の画像の方が滑らかで且つ模様の細部がよく見えてます。
いやー、これは効果絶大ですねー。これからは手間を厭わず、この処理をしっかりやらないといけないなぁ。
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