久々の実験ネタです。
つい一ヶ月前まで「宵の明星」として夕方の西空に見えていた金星ですが、
現在は日の出前の東天で「明けの明星」になっています。
金星は、子供の頃に理科で習ったとおり地球のお隣さんの惑星で、
地球よりも太陽に近い軌道を同じ向きで周回(公転)しています。
その公転周期は地球よりも短く、約225日で太陽のまわりを一周します。
先月前半は日没後に西に沈む状況でしたが、これは地球から見て太陽の左側にいたからです↓
Astroarts ステラナビゲータによるシミュレーション
10月28日には太陽と同じ方向に位置する(「内合(ないごう)」と呼びます)ようになりました↓
Astroarts ステラナビゲータによるシミュレーション
その後は地球を追い越すように回っていったので、太陽の右側に見えるようになったのです↓
Astroarts ステラナビゲータによるシミュレーション
そのため明け方、太陽より先に東から昇るようになったというわけです。
で、内合になると太陽と地球との間に挟まれた恰好になりますので、
金星と地球がほぼ最接近状態になってます。
ということは、金星が最も大きく見えるはずなのですが、地球からは陽の当たらない
陰の面を眺めることになりますので、実際にはその姿を見ることはほとんど困難です。
内合から少し日にちが経つと陽の当たっている部分が少しずつ見えるようになってきますが、
それは月の満ち欠けと似たような見え方だったりするんです。
で、21日の金星の見え方をシミュレーションしたのがこちら(↓)の図になります。
Astroarts ステラナビゲータによるシミュレーション
まるで三日月のような姿に見えるはずなんです。
さて、前置きがとっても長くなりましたが、このような三日月状態の金星が200mm程度の
望遠レンズでとらえられるかどうかを試してみようというのが今回の実験内容です。
実際に撮れたオリジナル画像がこちら↓
【内合から約3週間後の金星】
キヤノンEOS Kiss Digital X + EF200mmF2.8LⅡ ISO100 F5.6 露出時間1/1600秒
AFでピント合せ 手持ち撮影 トリミング [11月21日 05:08 撮影]
何となく細長く伸びたようなイメージに見えますが、小さくて形がよくわかりません。
そこで500%拡大して、ついでに5コマ連写して得た画像を加算平均処理してクオリティを
上げてみました。仕上がった画像がこちら↓
なんかボケてますが、ちゃんと三日月形をしているのが分かるようになりました。
金星は明るくて高速シャッターが切れるため、三脚不要の手持ち撮影でイケることも判明。
また数週間経ったら半月状に近い姿が撮れるかどうか試したいところですが、
地球からはどんどん離れていって、見かけ上のサイズが小さくなっていくため、
形をとらえるのはかなり厳しくなりそうです。
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