昨日はルーリン彗星の地球最接近日でしたが、天気の悪い所が多かったようで残念です。
今週は菜種梅雨がひと月早くやってきたような空模様で、
スッキリ晴れるのは日曜日以降になりそうとの予報。
んー、しばらくルーリンを拝めそうにありませんネ。
ということで、新たな写真ネタもないので、
小難しい話ですみませんが、彗星の尾についての続編です。
彗星の尾には主にイオンテイルとダストテイルの2種類があって、
前者は反太陽方向にまっすぐ伸びて、後者は少しカーブを描いて
伸びたりするということを前回述べました。
そのイメージを文字だけで表現するとこんな感じになります。
(かなり大雑把で正確さは?ですが・・・)
γ
○
ギリシャ文字のガンマ(小文字)が尾で、下の丸が頭部のコマです。
左側の曲がっている方がダストテイル、
右側の直線に近い方がイオンテイルに相当します。
実際には立体的であって、コマはほぼ球形、イオンテイルは細く、
ダストテイルは薄い面上に広がるため平たくなります。
(改行で尾とコマが繋がってないのはご容赦ください。)
上図の状態のものを右または左の正面から見たら、こうなります。
|
○
イオンテイルとダストテイルが重なって見えるわけです。
では、下側(コマ側から尾を見通す方向)から見たらどうなるか
というと・・・
―○―
という感じになるはずで、これがまさにルーリン彗星の尾の
見え方に相当します。
尾がどういう風に見えるかは、地球と太陽と彗星の位置関係で
大体決まります。現在のルーリン彗星は太陽と地球を結んで、
真っ直ぐ地球の外側に延長した付近に位置しています。
つまり下の図のような位置関係です。
γ
○ 彗星
● 地球
◎ 太陽
このため尾がコマの両側に生えたかのように見え、
あたかもコマを串刺しにしたような姿になっているのです。
しかも、地球の公転軌道(太陽の周りを一周する軌道)面と
彗星の軌道面が僅か1.6度ほどしか違わず、
地球も彗星もほぼ同じ面内で動いているので、
長期間に渡って「串だんご」状態が続いています。
こんな見え方の彗星はとっても珍しいと思います。
もし3ヶ月早く彗星がやってきていたら、どうなっていたか?
おそらく地球の公転軌道近くにやってきた時には、
彗星は太陽を挟んで向こう側に位置し、
太陽光が邪魔で観測不能だったはずです。
それでも太陽と重ならない時期には見えたことでしょうが、
地球にはあまり接近しないため、もっと暗かったのではないかと
考えられます。尾もはっきり見えなかったかもしれません。
どうやら偶然が積み重なって、興味深い姿になっているようです。
しかも次に戻ってくるとしたら数万年後ということですから、
まさに一期一会ということになりますネ。
次の晴天夜が待ち遠しいなぁ・・・
コメント
あなたのブログにコメント投稿されたものです。
- Team.Zen [2009年2月25日 20:59]
- こんばんは。
今、8時55分現在、信州・飯田では
夜空に星が見えてきました♪
今、ルーリン彗星を探しています。
週末まで、ダメかと思っていましたが・・・
ラッキーです!!
そちらの天気は・・・・? - fornax8 [2009年2月25日 22:35]
- Team.Zenさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
気象衛星の画像を見ると、長野県南部から
静岡県西部にかけては晴れ間がありますね!
羨ましいです。
こちら東京都下はベタ曇りです。
もっとも晴れても彗星観望は難しいんですけど。
週末晴れたら、また遠征かなぁ。
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