Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
1/18宵 土星と金星が接近

彗星なる天体

2009-02-23 19:57:44 | ほうき星

土曜日の夜もルーリン彗星を撮りに再び東伊豆へ。

風は弱めでしたが、途中から雲が湧いてきてしまい、

あまり長くは撮影できずじまいで、ちょっと不完全燃焼でした。

収穫はこちら↓

[2月22日2時前 静岡県東伊豆町稲取にて撮影]
※キヤノンEOS Kiss Digital X + 口径18cm写真撮影用反射望遠鏡
 ISO1600 F2.8 総露出時間24分(3分×8コマ加算合成)

この日は風が弱かったので、望遠鏡にカメラを取付けた状態の

いわゆる直焦点撮影の機材で狙いました。

どアップになり過ぎて尾が収まりきれなくなってしまいましたが、

迫力はあると思います。

今日は彗星独特の姿・形について少し解説しておきます。

上の写真で中央やや右寄りの青緑色に広がっている部分は

彗星本体である「核」から放出された物質のうち、

主に蒸発しやすい成分が気化して薄い大気層となって広がったもので、

「コマ」と呼ばれています。

太陽系内には惑星以外にもたくさんの小天体が周回していますが、

そのうちでコマを持つものは「彗星」、持たないものは「小惑星」

として分類されたりします。

さて、彗星核は簡単に言うとスノーボールに泥や砂が混じった

ような「汚れた雪玉」と考えられているのですが、

「雪」に相当するものは水の氷だけでなく炭酸ガスが凍った

ドライアイスやその他の揮発性物質も含まれていて、

太陽に近づくと熱で炙られてそれらが蒸発してしまい、

気化した物質が「コマ」の素になります。

その一部は太陽が放つ光の放射圧や「太陽風」と呼ばれるプラズマ流に

押されて太陽とは反対の方向にまっすぐ棚引くようになり、

それがイオンの尾(イオンテイル)として観測されるようになります。

一方、「汚れ」に相当するものは主に岩石質の固体粒子で、

それ自体は太陽熱では蒸発したりはしないのですが、

「雪」の蒸発が盛んになるとその勢いで核から吹き飛ばされます。

それらも太陽光の放射圧と太陽風で押し流されますが、

粒子サイズは大小様々で、その重さにもバリエーションがあるため、

核から放出された際の速度や運動方向もまちまちになり、

少し幅を持ってカーブを描くように棚引いたりします。

これをダストの尾(ダストテイル)といいます。

ルーリン彗星にもイオンの尾とダストの尾が観測されています。

上の写真で、コマから左下へ伸びる明るい尾がダストテイル、

右上へ伸びる薄い尾がイオンテイルに相当します。

とりあえず、今日はここまで。

次回はルーリン彗星の尾の見え方の特異性について書いてみます。



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