みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

風通し、雨通し、雪通し

2008年04月19日 19時19分47秒 | 明日への一歩
architecture117.jpg: 志賀直哉旧居のサンルーム
D70s with Tokina AT-X 107 DX Fisheye (10-17mm F3.5-4.5), Aperture priority AE (F=5.0, SS=1/15s), +1.7EV (Matrix metering), ISO200, WB=Cloudy (+0), f=12mm (35mm-equivalent: 18mm)

志賀直哉旧居には3時間くらい滞在しました。一番長い時間を過ごしたのはサンルームでしょうか。

ガラス越しに差す冬の午後の陽光は、部屋の中ではことのほか暖かいものでした。窓際の黒いイスに腰かけて、屋根を見上げたり、梁 (はり) を目で追ったり、床に落ちる日差しを眺めたり、部屋を見回したり、足をばたつかせてみたり、……。

でも、今までのように、その場の空気にただただ浸ることができません。

奈良旅行に出る前は、少し煮詰まっていました。原因はいろいろあるのでしょうが、飲み込んだものが消化できずに沈殿し、煮詰まっていました。撮影にも今ひとつ のめり込めず、悶々 (もんもん) としていました。

新しい風が入るかな。

奈良行きを決めた翌日、玄関を出ると、旅の空気が出迎えてくれました。各駅停車の電車が伊賀の山中を進むに連れて、よどんだ日常が後退していきました。

奈良旅行を通じて、湿って重くなっていた扉が少し開いた感触がしました。

今度は新しい風を呼び込んでみたい。

気分が晴れたのは突然のことでした。昨日の雨が、風を運んでくれました。心の中の沈殿物を洗い流してくれたのは、不意に訪れた奈良の雪と春の雨でした。雨っていいな。

次回から、その春雨の中でのスナップをお届けします。



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