みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

たったひとりで

2008年09月17日 22時58分21秒 | 日常のあれこれ
カロリーメイトを食べ終わり、がらんとした救急待合の長イスに座って携帯電話で (電波が出ないモードにして) ブログを書いていると、医師が友達の名前を呼びました。
「○○さん」
「はい」
「あなたは?」
「友人です」
医師に導かれて中に入ると、友達は点滴を受けていました。とりあえず、これで脱水状態は防げます。

医師からは、各種検査を行ったが異常な数値は出ていないと聞いていました。処置をされている間は、しきりに私のことを気にしていたとも。

「来たよ」

友達は、ベッドに横たわり、タオルを顔に当てたまま、うめいたり、あえいだり。

私にできることは、肩に手をのせて、声をかけてあげるくらい。それしかできません。

友達は、たったひとりで頭痛や吐き気と戦っています。そんな友達を前にしても、私は何もできません。

友達に頼まれて、お姉さんに連絡をとりました。

救急外来では携帯電話を使えないので、いったん外に出て電話をかけます。

お姉さんが仕事帰りに送ったと思われるメールは入ってきましたが、肝心のお姉さんにつながりません。

留守電にメッセージを吹き込んで、メールを送信しておきました。

「移動中かも知れないね。またしばらくしたら外に出て確認してくるよ」

友達の気力が途切れないよう、励まし続けます。

こんな小さな体で、たったひとりで戦って……。

「お姉さんからメールが入ってたよ」

メールを読み上げると、友達は声を上げて泣き始めました。

「絶対、来てくれるよ。大丈夫。まだ終電まで時間はあるから」

私には、肩に手をのせて、励まして、冗談を飛ばして笑わせることくらいしかできません。

目の前で友達が苦しんでいるというのに、何もできません。

何て無力なんでしょう。

もどかしい。

情けない。

ようやくお姉さんと電話がつながった頃には、1時間が経っていました。

その後、離れて暮らすお姉さんが病院に到着するまで、実に2時間。

「○○ちゃん。○○ちゃん、どうしたの?」

お姉さんの声に、友達が泣き崩れました。

ずっとひとりで頑張ってきたんだね。

心細かっただろうに。

私の目もうるんできます。でも、もらい泣きしてる場合じゃない。我慢、我慢。



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