みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

娯楽兼リハビリ

2007年01月30日 17時28分16秒 | 明日への一歩
旅行が好きです。泊まりがけの旅行のほか、日帰り旅行も含めて年に何回も旅行します。先日も、海沿いのローカル線の旅をしてきました。写真は2月から公開していきます。

ほとんどの場合、旅行にはひとりで行きます。ひとり旅って気楽なんです。体調に応じてスケジュールを弾力的に変更できますし、食べるものも自分ひとりの都合で決められます。

私はもともと胃腸が弱い上にまじめで几帳面、神経質な性格をしているので、ささいなきっかけで胃腸を悪くします。

胃腸が弱いのは物心つく前からでした。母の話では、昔から便秘気味だったようです。ご飯を食べさせてもなかなか便が出ず、こよりで肛門を刺激するなど、いろいろ工夫したと聞きました。当時の便通は2~3日に1回だったとか (それでもちゃんと生きてるんだから、みんな、数日くらいの便秘なんて気にしなくていいんだよ)。

神経症とも長い付き合いです。

小さい頃は軽度の強迫神経症を抱えていました。もちろん、強迫神経症などという言葉を知ったのは4年ほど前のことで、当時はそれが何なのか自分では分かりませんでした。

当時とらわれていた強迫観念のひとつに、1日のうちで左右に回る回数は同じでなければならないというものがありました。左回りをしたら、必ず同じ回数だけ右回りをしなければなりませんでした。右回りをした場合も、その場で同じ回数だけ左回りをして打ち消していました。右回りと左回りの回数が同じでなければならない根拠はなく、そのことは自分でもよく分かっていましたが、どうしても左右に回る回数を揃えなければ気持ちが落ち着きませんでした。

ぬいぐるみにほおずりする回数も左右で同じでなければなりませんでした。ぬいぐるみに顔を擦りつけていて、父から「やめろ」と怒られたこともありました。

そのほか、ひらがなの「よ」を語尾に置いてはならず、必ず前後を別のひらがなで囲まなければならないという規則もありました。「よ」の前後を別のひらがなで囲もうとして、「……だよ」とは書けずに「……ねよね」と書いてしまいます。変な日本語です。自分でも変だと分かっています。でも、そう書かずにはいられないのです。

ある日、私の文章を見た従兄が、母に「どうして『ねよね』って書くの」と聞きました。理由なんて母に聞いても分かりません。従兄は「『ねよね』って何」と聞いてきますが、聞かれても困ります。私も説明できません。とにかく、こう書かざるを得ないのです。幼稚園に通っていた頃か、小学校に上がるかどうかの頃だと思います。

10年ほど前は不安神経症と戦っていました。

人と会っている間に体調が悪くなったらどうしようとか、誰かと食事している間に胃がむかついたら大変だとか、バスで移動している間に気分が悪くなったらどうしようとか、食後にお腹が落ち着く前に電車に乗って吐き気に襲われたらどうしようとか、いろんな不安に押し潰されそうになります。

3年半ほど前には乗り物不安と格闘していました。電車やバスに乗っている最中に吐き気に襲われたらどうしよう、と不安になります。不安になると、実際に吐き気を催します。さらに不安が強まり、ますます吐き気が強くなります。

乗り物不安を抱えたままの出勤は悪夢でした。乗り物不安を抱えていても会社に遅刻するわけにはいかず、頑張って頑張って電車に乗り続けます。途中の駅で電車を降り、ホームのベンチで休むこともありました。

胃の不調と乗り物不安が複合したこともありました。

ひとりで都心に出る用事があった日のこと。その日は食べた物がお腹の中で落ち着かずに軽い吐き気がしていましたが、どうしてもその用事は済ませなければなりません。実際に吐き気がする状態で乗り物に乗るのが不安で不安で仕方ありません。

移動中に気分が悪くなるんじゃないか。夏ばて後の病み上がりで今日一日体が持つだろうか。いろいろな不安が首をもたげ、頭の中が不安でいっぱいになります。

それまで、気分が悪い状態で乗り物に乗っても実際に吐いたことはありませんでしたが、それでも不安が頭の中に広がります。「乗り物の中で吐くことはない」と否定しても不安は消えません。鼓動は早くなり、生あくびが出て、血の気が引いていきます。

横になれれば楽になるでしょうが、そうもいきません。座席に身を預け、大丈夫だと自分に言い聞かせながら、必死にバスの中で耐えていました。

今は、ひとりで行動する場合にはそこまでつらい思いをすることはなくなりました。ある程度、乗り物不安を克服できたのでしょう。

もうひとつ、十年来の付き合いになる神経症に、食事不安とも言うべき症状があります。

食事をすると食後に吐き気に襲われるのではないかと不安になります。実際に吐き気に襲われ、食後に横になってうーうーうなっていた記憶が頭にこびりついています。

家で食事するときは比較的気楽です。食べ切れなかった分を冷蔵庫にしまっておけば済みますし、気分が悪くなったら横になることもできます。

一方、外食のときは確実に食べられる量しか注文しないため、食事量が極端に少なくなることがあります。外食のときに一番楽なのは、大皿から自分で料理を取り分けるバイキング。食事の量を自由に決められますから。最初は食べられると思う量だけ料理を取り分け、食べ終わってからお腹と相談。「もう少し食べられる」と思ったら、追加で料理を取ってくればいいのです。

今まで、ずいぶんいろいろな神経症とかかわってきました。私の性格からして、神経症とは死ぬまでお付き合いすることになるでしょう。長い付き合いになるなら、放っておくのではなく、何らかの対策を身につけなければなりません。

娯楽のほかにリハビリも兼ねて、去年から各地を旅行するようにしました。旅行に備えて、普段からお散歩で体力をつけてきました。無理のない予定を組んで毎回無事に旅程をこなし、ひとつひとつ実績を積むことで、少しずつ自分に自信をつけてきました。不安に襲われたり体調を崩したりしたときは、その原因を探って再発を予防するように努めました。

今では神経症もずいぶん楽になりました。それでも、人と会うときには緊張してしまいます。具合が悪くなってはいけないというプレッシャーに潰されそうになります。

そんな私ですが、父を旅行に誘いました。

父と一緒に旅行します。ひとり旅ではありません。不安です。

不安です。

考えるだけで胃がおかしくなりそうです。

でも、わくわくする気持ちもあります。前から行きたかった場所です。

わくわく感を味方につけて、神経症を乗り越える!



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