屋根裏部屋に仕舞ったままの段ボール箱を開封すると、今日の絵日記の絵(写真)が出てきた。
そして、約45年前に出逢ったO係長の存在が、思い出されたのである。
此れは、若かりし頃、憧れた”通信用受信機・トリオ9R-4”である。
そして、その本質は、見ての通り、電源トランスやコンデンサー・真空管の大半が欠落している。
入手した、当時のままである。
私が”会社人間”に成って、二度目の転勤を果たした。
転勤した職場は、未だ且つて経験したことが無い、組織であった。
職制に”課長”が居る職場であった。
課長ー係長ー主任ー担当と云う組織形態であった。
私が、所属する”課”には、三人の係長が居た(総勢10名(共通事務担当2名を含む)。
その一人の係長で、O係長が居た。
日常的な作業は、このO係長の指示で行っていた。
実業務から、データー整理と、伴に行動する事が多かった。
そして、趣味の話にも及んだ。
O係長が、アマチュア無線も楽しんだ時代もあった、と云う話題にもなった。
「受信機のケースがあるが要るか?」と聞かれた。
憧れていたトリオ社製の受信機「9R-4」とのこと、間髪入れず「欲しい!」と云ったことは、云うまでも無い。
加えて、O係長が懇意にしている、タクシー会社が「タクシー無線の無線機を更改するが、要らないか?」と云う。
150Mhz帯の無線機である、アマチュア無線の周波数に移行することは、困難な事ではない。
更改する全数は要らない。3台頂く事にした。
X-Tal(水晶発振子)を変えて、アマチュア無線として、使用出来る周波数帯域への変更は、容易に出来た。
しかし、周波数の可変が容易に出来ない事から、アマチュア無線機としては、実用的ではなかった。
真空管式(注)であることから、DCーDCコンバーター(継電器で交流化し、電圧の昇圧)等の知識の集積には、役立った。
注:この真空管は、サブ・ミニチュア管と称し、ガラス管から直接リード線が出て、ソケット無しで配線される形状のもの
保守用部品(真空管等)も無かった事から、今は手元にはない。
話を本来の「9R-4」に戻す。
何時かは「リストアするぞ!」と思って今日までに至っている。
部品の”時定数(コンデンサーや抵抗)”を入手さえすれば、電源トランスや、今では入手困難となっている”真空管”は手元にあり”復元(再生)”は可能である。
真空管が、ほんのり点灯し、周波数ダイヤル表示のランプが点灯する”雄姿”から、電波情報が聞こえてくる様を、観てみたいとの情熱が再燃した思いである。
思いの継承は、遅きに資したが、今も健在である。
併せて、音信が途絶えて久しいが、O(係長)氏は「お元気だろうか・・・?」と、懐かしく思い出されている。