「ふくちゃんの絵日記の”風力発電”に興味を持った」と、連絡を頂いた。
その中で、風力を受けて自転車のハブ・ダイナモを回転させる為の「プロペラ」であったり「風杯」(の形状等)は、理解出来た。
しかし「倍電圧整流とは?」と言う質問を受けた。
写真・上が、私が製作した整流器(倍電圧整流器)です。
青白の電線を発電機(交流)に接続し、赤白から直流を取出す。(赤が正極(+))
構成する部品は、コンデンサー(蓄電器*1)2個(100円)と、ダイオード(整流素子)2個(30円)を配線する為の基盤(30円)である。
なお、価格を表示したのは、容易く入手が出来る一般的なモノと、いう説明をしたかったためである。
そうなんです! 大した”品物”では無い事を理解出来ると思います。
電気には、交流と直流がある。
交流電気の代表格は、家庭のコンセントから使う商用電源である。
そして、乾電池や、自動車のバッテリーから使う電気が直流です。
発電所(水力・火力・電子力)で発生する電気が交流で、太陽光発電から得られる電気は直流と云う事に成る。
模型などに使われるモーターは、電気を加えると回転する。
反対に、此のモーターを風や水力、エンジン等で回転させてやると電気(回転する電気=交流)を起こす事が出来る。
電気回路(コンバーター=変換器)で、交流電流を直流電流に変換する事を「整流」と言います。
その逆に、自動車で、携帯電話機の充電器を使ったりする場合の、直流から交流に変換する装置(インバーター=逆変換器)もあります。
交流は、正(+)の領域と、負(-)の領域を行き来(回転=正弦波)している。
Hz(ヘルツ)という単位で表示される。
そうです! 私達が利用する商用の電気は、東日本では50HZであり、西日本では、60HZである。
(例えば、50Hzは、正と負の領域を一秒間に50回、行き来している)
整流とは、この正の部分(若しくは負の部分)だけを、取り出す事である。
ダイオード(整流素子)は、一方通行させる性質がある。
正の領域の時だけ、電気を流し、負の領域の時には阻止するのである。
取出された正の領域の電気は、平ら(一定電圧)ではない事から、コンデンサーで滑らか(一定)にする。
倍電圧整流は、カット(使われない)される負の領域を反転させ、正に重ねる事で”倍”にする方法で、正の電気を取り出すモノである。
高い電圧が得られるという利点の反面、取り出す電流は、小さく成る。(*2)
家庭の電気製品は、コンセントからの電気(交流)で動作する。
そして、その役割(炊飯したり、温めたり・・)を果たす為に「整流」という機能(部品)は、電気製品に備わっている。
交流と直流電気の性格は、相反する性質を持っている。
交流は、電圧を昇降させる事が容易であるが、貯めておくことが出来ない。 直流は、その逆の性質を持っている。
私達は、知らず知らずの間に、交流(電気)の良い処・直流の良い処を活用しているのである。
私の日記で「風力発電」に興味を持って頂いたものの、日記では理解できない部分もあると思う。
ご連絡を頂き”補足説明をさせて頂いのだが、私の文書表現力の限界もあります。
御勘弁願いたい。
蛇足*1
バッテリーは、蓄電”池”(電池)であり、コンデンサーは、蓄電”器”と区別される。
池には、香川県の「満濃池」の様に大きなモノから溜池の様に小さな池もある。
その大きさを示す単位は「AH(アンペア・アワー)」である。
10AHのバッテリーは、1Aの電流を10時間流す事が出来る。
器にも、丼茶碗や湯飲み・酒器の様に大小のモノがある。
その大きさを示す単位は「F(ファラッド)」で、電気(電荷)を貯められる容量を表わされる。
双方とも電気を貯めておくモノ(蓄電)ではあるが、電気回路の中で、一時的に電気を保持する為の部品がコンデンサーである。
また、コンデンサーは、交流は通すが、直流は阻止する性質を持っている。
蛇足*2
「電力=電圧×電流」という電気の計算式(公式)がある。
ハブ・ダイナモで発電する電気量は、回転数であって、整流の方法(整流・倍電圧整流)が違っても、変わらない。
従って、ハブ・ダイナモの発電量を”1”とすると、電圧が二倍に成ると、電流は半分になる事がお分かりに成ると、思います。