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「退職金の運用、金利上乗せの優遇プランでお得に」→「抱き合わせ」は☓

2015-05-09 10:08:57 | 株式投資・資産運用
「退職金の運用、金利上乗せの優遇プランでお得に」→「抱き合わせ」は☓

 日経の記事に「退職金の運用、金利上乗せの優遇プランでお得に」というのがありました。

 が、この記事で紹介されているのは、投信とセットになった、いわゆる「抱き合わせ」プランです。
 
 これまで運用経験がある人であれば、場合によってはこうしたプランを積極的に活用するのもよいと思いますが、
運用経験がこれまで乏しい人の場合は、いきなり、この「抱き合わせ」プランを利用するのは、一般的にはすすめ
られません。

 まず、銀行等の金融機関が販売する投信は販売手数料が高い場合が多いです。
 運用初心者の場合、まず目が行くのは、優遇プランの中の定期預金の高い金利です。
 が、投信とのセットでのプランの場合、その高い金利分は投信の販売手数料で消えてしまい、つまりはその高金利は実質的にはほとんど意味がないという場合があります。

 これは、結果的に運用がうまくいくかどうかということとは別の問題です。

 金融機関側は、投信の販売手数料や信託報酬などのコストについては口頭での説明もするでせしょうし、文書も交付されるとは思いますが、
運用初心者の場合は、このことに意識がいきにくい、気が付きにくい場合があります。

 で、運用経験者であれば、多分、こうしたコストの高い商品は最初から選択しない可能性が高いです。

 つまり、おすすめは、記事では割合が減少していると書いている(つまり、金融機関がそのように誘導している)、シンプルな元本保証の定期預金のみの優遇プランです。

 それも慎重を期すのであれば、1つの金融機関については1000万円を基本とし、複数の金融機関に分散するのがよいでしょう。

 運用者の側からすれば無駄(金融機関の側からすれば利益の源泉)であるコストは、なるべく少なくすることが重要です。
元本が大きくなれば、一見、比率としては大したことはないような気がする販売手数料とか信託報酬も、かなりの額になる場合がありますから。

 例えば、退職金2000万で、半分を販売手数料3%の投信にぶつこんだとすると、30万と消費税分を最初にとられます。
 残り1000万の定期の優遇金利では、この販売手数料分をカバーすることはできない場合が多いでしょう。

 とにかく、わけのわからないものには手を出さない。
 逃げ口上は「相談に乗ってもらっている方があるので、ここでは決められません。」というあたりでどうでしょうか。

 
 
コメント
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