クスコの街並み
この旅行の計画を立てる段階でちょっと気になったのは高山病のこと。
昨年訪れた大先輩のKさんは、大したことはないとおっしゃっていたが、他の知
り合いでひどくなった人で入院した人もいた。ガイドブックには注意事項が書い
てある。どうしたものかと迷いつつ現地入りした。
曰く、酒は控えよ、十分睡眠をとれ、こまめに水分補給を、高地ではゆっくり歩
け、深呼吸を2,3回しろ、酸素は念のため用意したほうが良いなど。また冬だから寒さ対策を十分に。氷点下に下がることもある、と記してある。そこでセーター、ウィンドブレーカーを用意し、
酸素は現地調達することにした。
3800mの峠からの眺望
しかし結論を言えば、それほど心配することはなかった。
確かに、クスコ郊外の3800mの峠に登ったとき、2700mのワイナピチュ頂上付近、
サクサイワマン付近の水の神殿(3800m)の3箇所で軽いめまいを覚えたが、後は
全く感じなかった。マチュピチュ見学のおりはこのことをすっかり忘れていたほ
どだ。
勿論、この間酒は控えたし、なるべく早く寝た。でも効果があったのは、単純だ
けど深呼吸だ。
気候も充分暑く、日陰はひんやりするが、日向は半袖で十分であった。
クスコは3500m、オリャンタイタンポは2100m、マチュピチュ村は2200m、マチュ
ピチュ遺跡は2400m程度であるから、高山病にならないのは当然であろう。だが4000
m近いチチカカ湖などに行くときには十分注意せねばならないだろう。
後ろのセスナで出発
オアシス
川の脇の緑地 水は生命の源
もう一つ高山病に近いのは、ナスカの地上絵見学の際の、セスナの飛行機酔いだ。
リマから飛行場のあるイカ迄約300km3時間ほどで走り抜ける。スピード制限は
一応100km/hだが警察はレーダーを持っていないので取締はない、と運転手の
ジョニー君はいって、140km/hで砂漠の中の道をバンバン飛ばす。30分くらい
朝もやの晴れるのを待ってフライト開始。
居住性のいいセスナ内
宇宙人
ハチドリ(左端)
こんなセスナ飛行場でも7$/人の空港利用税を取られる。7人乗りで出発。30分
ほど砂漠の中を飛び、いよいよナスカ。パイロットは操縦を副操縦士に任せ、パ
ンフレットを示し、イルカの地上絵だ、次は宇宙人だ、それハチドリだと教えて
くれる。しかも「まず右サイド」「続いて左サイド」と飛行機を回転させ、爆撃
をするときのように横滑りに目標へ近づける。サービス精神満点だ。右に左に回
転し、急降下や急上昇を繰り返すので、気持ちが悪くなり、シックバックに戻し
てしまった。幸い胃袋には何も入っていなかったので、黄色の胃液が少し出ただ
けであったが。
地上絵はそれほどはっきりはしていず、岩肌に彫られたもの、平原に書かれたも
のと様々であるが、何を目的としたものかは謎である。不思議ではあるがただそ
れだけ。地上に降りたら、たちまち飛行機酔いは収まった。
飛行場入り口
この砂漠の奥に地上絵はある