本日は私めの69回目の誕生日です。数えで70歳、古希又は従心と論語では言うらしい。「心の欲する処に従えどもその矩を踰えず」という、出来た大人の領域に達している筈です。
しかし、現実はそうではなさそうです。70歳(数え年)の人は稀でもなくゴロゴロいます。むしろこの年迄に亡くなった人を探すほうが珍しいくらいです。「矩を踰えず」どころか、始終矩を踏み外している自分がいます。
しかも、心の欲するままに行なって、人の矩を越えないというほどの身に備わった倫理観を染みこませて居るのはこれまた、難しい。私自身は年をとっても、正に馬齢を重ねている状況なので、この領域に近づいているとも思えない。
やはり日頃の鍛錬、習慣、心構えなのでしょうね。
今は私をこの世に送り出してくれ、育ててくれた両親も他界している。昔は6日は正月休みのまっただ中、新年のお祝いの余韻が残っている期間だったので、家族からのお祝いは殆ど無かったような気がする。年末年始から離れた日の誕生日の人を真剣に羨ましく思った。
目を移すと、窓の外は数日前の雪が融けずに積もっています。全てのものがぱあっと白く彩られ、細々した、汚いものが雪で覆われて、見違えるように美しく変身しています。
厳しい寒気の中、外へ出るのもちょっとした覚悟が要ります。矩を越えるどころか、勇気を持たねば、踏み出せません。