


春が一足飛びに夏になってきたような季節の移ろいです。それでも此処は高原らしいさわやかな毎日です。最近は晴れの日が多く散歩にも最適である。
山小屋から30分ほどの槻の池へ出かけた。ゴルフ場に隣接するこの人工の池は簡単な幼児向け遊具を備え、トラウトやイワナなどが放流してあり、釣り堀として愛好家が通っている。
この別荘地も定住する人が増えたせいか、いつも、誰かが釣り糸を垂れたり、ルアーを操っている。この池から更に10分ほど入ったところに私達が「魁夷の池」と呼んでいる東山魁夷の絵に出てきそうな池に出る。
ここは本当は「小段の池」というそうだが何時来ても水は緑、白樺の幹は白く、湖面に景色が映って静かである。気がつけば鴬の声のはるか向こうから、カッコウの声が聞こえる。春から初夏へ主役が変わってきたか。周りによく響くカッコウの声を聞きながらの散歩はとても気分が良い。
帰り道、振り返れば阿弥陀岳の西面がすっかり雪を消して、夏の装いで聳えていた。


