会場のミューザ川崎
プログラム
たしか1月だったか、NTTフィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会を聴きに近くの公共ホールにでかけたことがある。企業名が冠についてはいるが所詮アマチュアだと高をくくっていったら、これがなかなかの出来栄えである。
今回はわざわざ川崎まで足を伸ばして聞きに行った。シンフォニーホールは今月改装したばかりで、立派なホールである。聴衆はざっと1000人を超えるくらいか、3階までよく埋まっていた。
曲目はメンデルスゾーン・序曲「静かな海と楽しい航海」、プーランク・バレエ組曲「牝鹿」、ショスタコビッチ・交響曲第5番ニ短調、指揮は芸大出身の沖澤のどか氏である。指揮者については初めて聞く名前であったが、第18回東京国際音楽コンクールで一位をとったほどのプロである。
席を一階の最前列に取ったおかげで細かい指揮の仕草や、演奏者の癖まで味わうことができた。指揮者は芸術家というより、音楽の職人さんという風情で、とてもわかり易い指揮ぶりであった。交響曲が細かいパーツの組み合わせで、それぞれの楽器パートが奏でる細かいテーマを組み合わせて作り上げるという楽しさを存分に味あわせてくれた。
演奏者もアマチュアのせいか、若い人から胡麻塩頭の人まで年代も様々であったが、皆一生懸命演奏に取り組んでいる様は好感が持てる。2曲目に管弦楽器が補充され、3曲めにはハーブが入るなどフルオーケストラの陣容が整い、フォルテシモもピアニシモもうまく出ていたように思う。
私自身大した鑑賞眼があるわけではないが、初めて聞いた曲にもかかわらず、歯切れのよい演奏を十分楽しめた第45回定期演奏会であった。