20代に一緒に仕事をした関西の畏友から、かねてから「遊びに来ないか」と誘われていた。彼の娘さんの嫁いだ滋賀でおちあい、小谷城に出かけた。彼とは久しぶりの再会だが、親切に遇してくれ、すっかりお世話になった。つくづく良い友人に恵まれていると感謝した。同行のM氏も無口ではあるが腹の据わった人で、好感が持てる。
この日は雨天の天気予報で足下を案じたが、幸いにも雨は落ちてこない。
北陸本線河毛駅は無人駅だが、結構下車する人がいた。そこに友人が車で迎えに来
てくれていた。
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早速小谷城址にむかうと、麓には幟がはためき、売店が立ち並び、観光バスも駐車し
ている。有料駐車場が整備され、そこそこ賑わっている。NHK大河ドラマ「江」の威力だろう。
駐車場から番所跡へはバスが出ており、語り部ボランティアが案内してくれる。バスは30分おきに出ているが、これもやはりおばさん軍団で満席だ。25人乗りのバスの中で男は我々3人を含めても6,7人だ。
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道端に杖が備えられている
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おばさんで一杯のバス
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番所跡に設置された案内板も伸長された。
小谷城は名にし負う山城である。攻めにくく、守りやすい軍事上の理由から山の中に
ある。なるほど、曲輪(くるわ)と呼ばれる建物を建てた平らな土地が、細い山道につながれ、木々に囲まれている。宏大な本丸、二の丸などを備えた平城とはだいぶ違う。
守りやすくするため、崖に縦の掘割を掘って、攻撃陣が横へ展開するのを防ぐ工
夫もしている。(写真は平坦なところしか写してないので、山城の険しさを表してない。実際には細く険しい山道でつながれている)
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御馬屋跡
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小谷城跡の石碑
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桜番場跡から展望する竹生島、山本山
ここは戦国の世、まさに戦いに明け暮れた砦の面影をとどめている。番所跡、お茶屋跡、
御馬屋跡、首据石、桜番場跡、黒金御門跡、大広間跡、本丸跡、大堀切跡などを
順次語り部さんの名調子で案内される。それぞれの跡地には雑木が生えてはいる
が、地形はそのまま保存されており、当時の面影を残している。やはり現地で空気を吸ってみると、当時への思いが増すようだ。
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一番大きな曲輪、大広間跡
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本丸跡の石垣、上の木が生えているところが本丸跡
琵琶湖、姉川古戦場、虎御前山、竹生島、近江平野、など戦国時代の主戦場のパ
ノラマ展望が広がる。浅井長政、お市の方、3姉妹の物語と相まって興味ふかい。
ここは、日本海側、太平洋側を結ぶ最短の平野であり、京へ上る当時の国内軍事
上の枢要地であることがよくわかる。
現地を訪れてみて、やや手遅れだろうとは思うが、大河ドラマを見てみようかという気になった。
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