唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
高速船事故を考える
9日18時頃、鹿児島県佐多岬の西北西沖約3キロの錦江湾入り口付近を航行中の鹿児島商船の高速船「トッピー4」(281トン、赤瀬強一船長、乗員5人、乗客109人)が、何かに衝突し、衝撃で座席から投げ出されるなどした乗客88人と乗員5人が負傷するという事故があった。
高速船「トッピー4」は川崎重工が製造する水中翼船で「川崎ジェットフォイル929-137」と呼ばれているもののはずである。「はずである」と書いたのは、川崎ジェットフォイル929-137の総トン数が164トンであるのに対して新聞等では「トッピー4」の重量が281トン(排水量トン数なのか総重量トン数なのか不明)と報道されているからである。しかし、川崎重工が製造する(した)水中翼船は929-137型のみであることから、事故船は929-137型であると思われる。
さて、このジェットフォイル929-137には郷秋<Gauche>は3年ほど前に長崎県域で九州商船が運航するものに乗船したことがある。その時の様子をこちらのページの中程「第3日目(2002年12月3日)」の項に書いているので是非ご覧いただきたい。このジェットフォイル、元はと言えば旅客機メーカーのボーイング社が製造したいたこと、なぜ普通の船とは曲がり方が違うことなどを書いているが、特に注意いただきたいのが「このシートが飛行機のものとそっくりでシートベルトまで着用するようになっている。」という記述である。
今回の鹿児島商船の事故では幸い死者こそ出なかったが109名の乗客中80%に当たる88名が重軽傷を負い、乗員は5名全員が負傷している。ジェットフォイルの巡航速度は43knot/h、約80km/hであり、これは高速道路を走行する自動車の速度に等しい。衝突の際の衝撃は相当なものであったに違いないがもし全員が着席し、そして全員がシートベルトを着用していたとしたら、負傷者の数は相当少なくなっていたのではないかと思われる。
衝突時の船内でどれ程の乗客が着席しシートベルトを着用していたのかわからない状態で言うのは甚だ乱暴であることは承知のうえであるが、例えば貸切バスや長距離路線バス乗車時のシートベルト着用率、例えば巡航時の旅客機内でのシートベルト着用率を考えれば、事故時の船内でのシートベルト着用率が相当に低かったことは容易に想像できる。
先月(3月)5日に長崎県・対馬沖で発生したJR九州のジェットフォイル衝突事故(乗客11人が軽傷)を受け九州運輸局では高速船を運航する事業者に対し、シートベルト着用の徹底を3月6日付の文書で指導、今回の事故で本日(10日)改めて口頭で指導し、シートベルト着用を呼びかけたという。鯨など回遊する水中生物等との衝突を避けることは難しいかもしれないが、飛行機搭乗・自動車乗車時だけではなく、高速で走行する船においてもシートベルトの着用は事故時の負傷率を大幅に軽減するのである。
法律でそれが義務付けられたり運行会社からの注意があってはじめてシートベルトを着用するのではなく、シートベルトの用意のある乗り物は、それが必要な速度で走行・飛行するからこそその備えがあるのだと言うことを良く理解し、是非着用して頂きたいものである。自分の身体を、命を守る責任を負っているのは言うまでもなく自分自身なのだから。
ジェットフォイルについての詳細はこちら、画像(動画)はこちらを参照いただきたい。
例によって記事内容とは全く関係のない今日の一枚は、枝ごとに紅白の花を咲き分ける桃。梅にしては開花が遅いこと、花柄が短いこと、荒れた樹皮から桜ではなさそうなことなどから、源平桃(げんぺいもも)ではないかというのが郷秋<Gauche>の結論ですが、さて如何に。
よくよく観察すると枝ごとに色が違うどころか、一つの花なのに器用に紅白に咲き分けているものまでありました。
高速船「トッピー4」は川崎重工が製造する水中翼船で「川崎ジェットフォイル929-137」と呼ばれているもののはずである。「はずである」と書いたのは、川崎ジェットフォイル929-137の総トン数が164トンであるのに対して新聞等では「トッピー4」の重量が281トン(排水量トン数なのか総重量トン数なのか不明)と報道されているからである。しかし、川崎重工が製造する(した)水中翼船は929-137型のみであることから、事故船は929-137型であると思われる。
さて、このジェットフォイル929-137には郷秋<Gauche>は3年ほど前に長崎県域で九州商船が運航するものに乗船したことがある。その時の様子をこちらのページの中程「第3日目(2002年12月3日)」の項に書いているので是非ご覧いただきたい。このジェットフォイル、元はと言えば旅客機メーカーのボーイング社が製造したいたこと、なぜ普通の船とは曲がり方が違うことなどを書いているが、特に注意いただきたいのが「このシートが飛行機のものとそっくりでシートベルトまで着用するようになっている。」という記述である。
今回の鹿児島商船の事故では幸い死者こそ出なかったが109名の乗客中80%に当たる88名が重軽傷を負い、乗員は5名全員が負傷している。ジェットフォイルの巡航速度は43knot/h、約80km/hであり、これは高速道路を走行する自動車の速度に等しい。衝突の際の衝撃は相当なものであったに違いないがもし全員が着席し、そして全員がシートベルトを着用していたとしたら、負傷者の数は相当少なくなっていたのではないかと思われる。
衝突時の船内でどれ程の乗客が着席しシートベルトを着用していたのかわからない状態で言うのは甚だ乱暴であることは承知のうえであるが、例えば貸切バスや長距離路線バス乗車時のシートベルト着用率、例えば巡航時の旅客機内でのシートベルト着用率を考えれば、事故時の船内でのシートベルト着用率が相当に低かったことは容易に想像できる。
先月(3月)5日に長崎県・対馬沖で発生したJR九州のジェットフォイル衝突事故(乗客11人が軽傷)を受け九州運輸局では高速船を運航する事業者に対し、シートベルト着用の徹底を3月6日付の文書で指導、今回の事故で本日(10日)改めて口頭で指導し、シートベルト着用を呼びかけたという。鯨など回遊する水中生物等との衝突を避けることは難しいかもしれないが、飛行機搭乗・自動車乗車時だけではなく、高速で走行する船においてもシートベルトの着用は事故時の負傷率を大幅に軽減するのである。
法律でそれが義務付けられたり運行会社からの注意があってはじめてシートベルトを着用するのではなく、シートベルトの用意のある乗り物は、それが必要な速度で走行・飛行するからこそその備えがあるのだと言うことを良く理解し、是非着用して頂きたいものである。自分の身体を、命を守る責任を負っているのは言うまでもなく自分自身なのだから。
ジェットフォイルについての詳細はこちら、画像(動画)はこちらを参照いただきたい。
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例によって記事内容とは全く関係のない今日の一枚は、枝ごとに紅白の花を咲き分ける桃。梅にしては開花が遅いこと、花柄が短いこと、荒れた樹皮から桜ではなさそうなことなどから、源平桃(げんぺいもも)ではないかというのが郷秋<Gauche>の結論ですが、さて如何に。
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よくよく観察すると枝ごとに色が違うどころか、一つの花なのに器用に紅白に咲き分けているものまでありました。
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